資金調達コストとは?種類や計算方法・費用の抑え方まで分かりやすく解説!

2023.03.10

資金調達

資金調達コストとは?種類や計算方法・費用の抑え方まで分かりやすく解説!

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資金調達コスト(WACC)とは、会社の資金調達に伴うコストのことです。

会社が銀行からの借り入れや社債発行、株式発行などを用いて資金調達する際は、銀行に対する利子や、社債権者への利回り、株主への配当などさまざまな種類のコストが必要です。

そのためそれらのコストを勘案して調達先を選ぶ必要があります。

そこで今回の記事では資金調達の種類や計算方法、代表的な資金の調達方法、資金調達コスト(WACC)を抑える方法などを解説します。

資金調達コスト(WACC)とは?

資金調達コスト(WACC)は、資金の調達にかかるコストを指します。
企業が事業を行うためには、もちろん資金が必要です。
資金調達の方法にはさまざまな種類があります。

例えば金融機関から資金を借りて資金調達をすると、金融機関に支払う金額と資金調達をした額は同じではありません。

ローンを組むためにローン手数料がかかったり、返済額に利息を上乗せされたりするために、実際に金融機関に支払う金額は資金調達額よりも高くなるのです。


このようにどのような種類の調達法であっても資本コストは発生することはあり、資金調達した金額よりも多くの費用を支払う、または返済することになります。

企業の信頼度によって変わる

資金調達コスト(WACC)は、資金を調達する企業の信頼度により増減します。
企業の財務体質が強固で景気に影響されにくく、安定して高い場合にはリスクが低いと判断されるので、資本調達コストは低く抑えられます。

一方、リスクが高いと判断されれば資本調達コストは高くなります。

資金調達コスト(WACC)の全業界平均はおおよそ5%〜7%と言われています。
そのなかで、電気ガスなどの需要が安定している業界は、資金調達コスト(WACC)が平均よりも小さい傾向です。

一方で、鉄鋼や機械などは事業リスクが高いので、倒産リスクを避けるために負債比率を低く維持するケースもよくあります。
そのため資金調達コスト(WACC)は、平均よりも大きい傾向です。

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資金調達コストの種類

資金調達は、良好な会社経営や事業拡大、設備投資、信用力向上などに重要な役割を負っています。
資金調達には、いくつかの方法があり、会社の方針によって選択しますが、一般的には複数の資金調達法を併用します。
資金調達の際に必要な資金調達コスト(WACC)は3種類あり、資金調達の方法によって異なります。
ここでは、その3種類の資金調達コスト(WACC)について解説します。

負債コスト

負債コストとは、銀行借入や社債などの負債により調達した資金にかかるコストです。
要するに、返済時に払う利息で、信用リスクなどを元に利率が決まります。
信用力が低ければ高い利息が課されます。
負債は将来返済しなければならない他人資本であるため、資本コストの中でも重視されます。
負債による利子支払い分は損金算入ができるので、その分税金の納付額が減るので節税になります。

株式資本コスト

株式資本コストとは、株式発行に際して調達した資金にかかるコストです。
投資家や株主から調達した資金は自己資金となるので返済の必要はありません。
しかし、株主は出資に対してどのくらいの配当を得られるのかリターンを期待しますが、企業は株主に対して配当を行う義務があります。
つまり、株主資本コストとは配当のことなのです。
株主と経営者が同じ場合は、収益を資本に回せるので、資本コストはかかります。

内部留保コスト

本来、株式会社が挙げた利益は配当として株主に還元します。
しかし、企業が事業投資に使った方が、有利と判断した場合は、その資金を株主が会社に預けている資金になります。
これによって発生するコストが内部留保コストです。
ただし、内部留保した資本は株主資本コストと同額以上のリターンにする必要があります。
なお、内部留保が増えると課税額が増えるので注意が必要です。

資金調達コスト(WACC)の計算方法

資金調達コスト(WACC)の代表的な計算方法が「加重平均資本コスト」です。
加重平均資本コストは、株主資本コストと負債コストをそれぞれの時価で加重平均して求めます。
基本的に、資金を調達して事業を行う場合は、収益率が資金調達コスト(WACC)を必ず超えていなければなりません。
企業の価値や経済性を評価するための判断基準にもなっており、事業の拡大や設備投資を行うか否かを決めるための基準といった役割も持っています。

計算方法

それでは、具体的な資金調達コスト(WACC)の計算の方法を見ていきましょう。
計算式は以下の通りです。
WACC=株主資本コスト×株主資本/(有利子負債+株主資本)+負債コスト×(1-実効税率)×有利子負債/(有利子負債+株主資本)
ただし、増資を受けることが少ない中小企業の場合は、重要なのは資金調達コスト(WACC)よりも、有利子負債と株主資本の割合です。
銀行は、負債が大きくなるほど貸付を渋り利子が大きくなります。

中小企業では資金調達コスト=負債コスト

多くの中小企業では負債による資金調達を主に採用しているので一般的に「資金調達コスト=負債コスト」となります。

代表的な資金調達方法

資金調達をして効果的に利益を上げるには、コストを抑える必要があります。
そこでここでは、資金調達コスト(WACC)をどうやって抑えるかを見ていきます。
代表的な5種類の調達方法それぞれのメリットを比べていきましょう。
ただし、会社の規模や時勢、信用力などで、コストを抑える調達方法は異なりますので注意してください。

公的融資

公的な制度融資の金利は、担保が不要な融資で1.8~2.3%、担保融資で1.1~2.2%前後の利子です。
もちろん、無担保・無保証人の新創業融資制度では多少高めになるものの、それでも2%台には収まりますのでベンチャー企業にとっては助かります。
また、制度融資は固定金利なので、返済途中から金利が高くなるということもありません。
銀行融資よりもリスクが少ないといえます。
低金利で固定金利なので、返済期間が長期に渡る設備資金の調達に最適ですが審査に1〜2ヶ月かかるデメリットもあります。
最も低い金利では、0.6%の特別利率で融資を受けられるものの、その分条件や審査が厳しくなります。今回紹介する方法の中で最も資金調達コスト(WACC)が低い方法です。

銀行

銀行から融資の場合は、公的融資と比べて金利が多少上がりますが、それでも資金調達コスト(WACC)の低い調達方法です。
融資を受けるための条件や金利は、メガバンクや地方銀行、信用組合など金融機関の種類によりさまざまですが、金利の低いものなら2〜3%で融資を受けられます。
ただし、変動金利なので金利が高くなるリスクには注意が必要です。
担保にできる不動産があれば、融資のハードルは大きく下がるので継続的な運転資金の調達も可能です。
一方で、ほかの融資制度と比較して、審査が厳しいことは事実です。
全国信用保証協会連合会に保証人になってもらえば、低金利での融資が可能な「保証付融資」の利用も可能です。
信用保証料といった費用は必要ですが、大きなメリットを甘受できます。

ファクタリング

ファクタリングとは、売掛金を売って資金を調達する方法です。
サービスをりようするためには、取引先の信用状況などを確認する審査があるものの、早く現金化できるメリットがあります。
今回紹介する方法の中で最も資金調達コスト(WACC)が高い方法です。

コストとしては、ファクタリング会社に払う手数料で2社間ファクタリングの場合で10〜30%の費用がかかります。
ただし、売掛先も含める3社間ファクタリングは2社間よりも安全性が高く1〜10%の費用で資金調達ができます。
また、悪徳な業者が存在するのも事実なので十分注意しましょう。

消費者金融

公的融資や銀行で融資を断られてしまうと、消費者金融のビジネスローンに頼らざるを得ません。
しかし、消費者金融系のローンは、6〜10%以上の高金利の費用がかかります。

そのため、よほど緊急で資金調達の必要がある場合を除いてはおすすめできません。
ですが、継続的な取引で信用力を高めれば、交渉次第で金利を下げることは可能です。
短期・単発的に活用し、早めに返済をして取引実績を積み上げておきましょう。

増資

増資とは、企業が新しい株式を発行し、資本金を増やす方法です。

金融機関から、融資を受けるわけではないので、返済義務がありません。
リスクの大きな事業を行う際には株主に対するリターンが大きくなるので、コストが増加するのがデメリットです。

また、経営が悪化してしまうと、株主や投資家に経営権を奪われるリスクも発生します。
すぐに返済を求められることはありませんが、計画的な返済計画を立てることが重要です。

資金調達コスト(WACC)を抑える方法

資金調達によって効果的に利益を上げるには、コストなどの費用を抑える工夫が必要です。
まずは、融資と増資の割合を見直して、リスクの低い資本構成に変えていきましょう。

理想としては、自己資本の割合が、最低でも20~30%を占めたいところです。
しかし、事業拡大のためには、融資や増資といった手段で思い切った投資も必要です。
資本構成にこれが正解というものはありませんが、リスクを最低限に抑える考え方として節税ができる負債コストの割合を増やすのがよいでしょう。
内部留保だと税金がかかってしまうので、利子を経費扱いできる銀行融資の節税効果は自己資本と比較しても大きいです。株主資本コストは、倒産のリスクが高いほど、株主から要求されるリターンも大きくなります。
ここからは具体的に資金調達コスト(WACC)を抑える方法を見ていきましょう。

不動産を担保にする

まずは、保有する不動産を担保にして、金融機関の金利を下げる方法です。
しかし、この方法は融資額の1〜3%の手数料がかかる上、不動産の登記費用や鑑定費用など金利以外のコストが発生します。
利息の利率によっては負債コストの方が安いケースもあるのでコストを比較しましょう。
メリットとしては、融資額のアップや融資期間の延長ですが、万一返済不能になると不動産を失ってしまいますので注意が必要です。

返済計画・損益計算書によって説得する


返済計画を提示し金利の引き下げを依頼する方法があります。
この方法は、すでに融資を受けている場合や経営状態が思わしくない場合に資産調達コスト(WCAA)を抑える方法です。
返済計画書とは、金融機関から融資を受ける際に発行される書類のことです。
毎年の返済額や利息などが事細かに記載されています。
また、損益計算書を提示して負債コストを抑える方法があります。
損益計算書とは、1年間の企業の活動で得た利益あるいは損失を記録する決算書です。

損益計算書を用いて交渉を行うと、利息を抑えられる可能性があります。
利息支払い後の資産や、企業の経営状況などを提示すると、回収できないという事態を避けたい金融機関は金利を下げる可能性があります。
返済計画書と損益計算書を照らし合わせて、いつ頃から返済が厳しくなるかを具体的に提示することで、金融機関が金利を下げてくれる可能性がさらに高くなります。

信用保証協会の保証付融資を利用

信用保証協会は、金融機関などで融資を受けることが困難な中小企業やベンチャー企業の保証人となり、資金調達のサポートをする一般社団法人です。
信用保証協会からの保証付き融資により資金調達コスト(WACC)を抑えられる企業は、自社では金利の低い公的融資や金融機関からの融資を受けられない企業です。
信用保証協会に保証人になってもらうことで、審査の難易度が下がったり、本来よりも低金利での融資が可能になったりします。

費用を抑えて効率的に資金調達をしよう!

資金調達を行う場合、資金調達の方法によってさまざまなコストが発生します。
そのため企業は、資金調達する際に、あらかじめ発生するコストの種類やどの程度の費用が発生するのかを把握しておくことが大切です。
資金調達する金額次第では、コストが圧迫する可能性もあります。
せっかく資金の調達に成功したのに、コストの支払いに負われたり事業の進捗に影響を与えたりするようなことのないように費用を抑えて効率的に資金を確保するように検討しましょう。

まとめ

こういったお悩みをお持ちではありませんか?
・スタートアップ企業で資金が足りない!
・資金調達したいけどどうすればいいかわからない!
・資金調達先が見つからない!


資金調達はスタートアップ企業においてとても重要なことです。しかし、資金調達のやり方、資金調達先が見つからないといった課題が見受けられます。


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