新卒者の採用試験の新しい形である通年採用についての特集です。
通年採用とはどのような方法なのか、その概要や導入方法について、また、通年採用を行った際のメリット・デメリット、成功させるために気をつけたいポイントなどを紹介します。
通年採用のことを知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
【目次】
通年採用とは

通年採用とは、一般企業が新卒者の採用試験を行う際に、特定の時期を定めず年間を通じて実施する方式のことを指します。
日本の新卒採用事情は、約100年近くは一括採用を中心に展開してきました。しかし、帰国子女や留学生などの積極的な採用も考慮し、グローバルに幅広い人材を求める企業が増えています。
その採用方法として導入しているのが通年採用です。
通年採用と新卒採用の違いは?
通年採用と一般的な新卒採用では、応募時期とタイミングが異なります。一般的な新卒採用の場合は一括採用の方式が主流です。
募集はごく限られた期間に行われ、より多くの学生を選考しながら、翌年度4月からの入社に備える計画で進行します。
新卒の一括採用のメリットは、就活生を効率的に選考でき、人数も多く同時に採用できることです。それだけ手間やコストが削減できます。
一方、通年採用は、1年通して企業が採用活動をし続け、学生側のタイミングで応募する方式です。少数限定にはなりますが、就活生個々についてきめ細かな評価ができるのがメリットでしょう。
企業側にとっても理想に近い人物を探すことが可能です。
通年採用を導入している企業は?
2023年現在に時点では、通年採用よりも一括採用に則った新卒採用試験を実施する企業のほうが圧倒的に多い現状です。通年採用を導入し始めた企業は約20%程度だとされています。
しかし徐々に割合も増え始めている傾向です。今後は通年採用に関心を抱く企業はさらに増加し、双方の見解でどちらか最適な採用方式を選べる可能性も考えられています。
参考:就職白書2020(みらい研究所)
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通年採用の導入方法

もし新卒者の一括採用から転じて、通年採用導入へと踏み切るとしたら、どのようなプロセスを経ていくのが望ましいのでしょうか。
ここでは、通年採用を導入する際の、主な流れに関して紹介していきましょう。
①採用計画をしっかりと立てる
最初に行うのは採用計画の立案です。各部署によって必要とされる理想の人材を決めてもらい、採用人数や期限などの計画を立てていきます。
新卒者の一括採用と異なる点は、第二新卒も対象にできることや、新年度4月といった限定がないことです。中途採用のことも考慮すれば、多彩で柔軟な採用設計を立てられるかもしれません。
②採用するターゲットを明確にする
採用計画をある程度固めたら、どのような人材を必要としているのか明確にし社内で共有しておくことです。そうすることで、初めて採用するターゲットが明確に浮き彫りになってくるでしょう。
より細かい採用条件を決めて、人物像を明瞭に整えていきます。面接などを今後行う際にも、候補者を選考しやすくなっていきます。
③採用や選考方法を決定する
求人告知を出す際の具体的な採用手法を決定します。求人媒体の選択から、説明会・インターンシップ制度・Webサイトへの掲載といった応募に関する明確な情報提供の方法を考えて実践していく流れです。
今までの新卒一括採用は、大量に人材を募集しやりくりしていく手間がかかりましたが、通年採用にすれば仕事量が分散されていくので、より理想に近い新卒者を見つけることが期待できるでしょう。
④企業側の受け入れ体制を整える
企業は、通年採用で入った新入社員の受け入れ体制を整えておく義務があります。通年採用は入社時期のバラつきが生じます。
本来は4月期に研修を終えて一本立ちする新人よりも、やや遅れてスタートする新人も出ることを念頭に入れておかなければなりません。
各部署や研修担当者の間で、常に受け入れ体制を整えておくシステムを構築する義務があるでしょう。新入社員のスタート時期を配慮して計画を立てることです。
⑤内定・入社後のフォローを行う
前述とも重複する内容です。新卒者の入社時期にずれが生じるため、とくに人事と現場担当者は協力し合ってフォロー体制を完備しなくてはなりません。
それに、せっかく期待して採用した内定者が辞退しないように、適切な内定辞退防止策を検討し、速やかに実施する必要があるでしょう。
時期に関係なく、新入社員へのフォローを、十分な体制をもって整えなくてはなりません。
通年採用導入のメリット

採用方式として新しく通年採用の導入をすると、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。
これは、学生側と企業側の双方の見解から見ていく必要があります。では、通年採用導入のメリットを紹介します。
企業側のメリット
通年採用を導入することで、最初のメリットを感じ始めるのは企業側のほうでしょう。では、企業側で生じるメリットについて、以下の3つを紹介します。
自社に合う新卒学生を採用できる
通年採用を導入すれば、企業側にとって最適に近い新卒者を採用できます。年に一回だけの一括採用とは異なり、改めて別な時期でも年間通じた採用ができるためです。
より人材との出会いの機会も増え見極めることが可能になります。また、状況の変化に合わせて、臨機応変に採用活動を続けられるのもメリットでしょう。
多種多様な新卒学生を採用できる
通年採用を導入すれば、新卒一括採用では内定が出せなかった新しい人材へのアプローチが可能です。中でも顕著なのは海外の大学からの新卒や留学生などです。
これらの新卒者は一括採用解禁に合わせての就職活動がしにくい現状でした。通年採用で期間がシフトされるため、今まで以上に多彩な人材の採用が見込めます。
内定を辞退されてもいつでも補充が可能
通年採用を導入すると、内定辞退者が出ても補充ができるメリットがあります。内定者のすべてが入社するとは限りません。
何人かは辞退することも想定できるでしょう。しかし、内定辞退は新卒採用にとって課題です。
そこで通年採用に切り替えることで、年間通じた採用が行えるので、内定辞退者が出た場合でも、左右されずに補完して挽回できるメリットが生まれます。
学生側のメリット
通年採用は、どちらかといえば企業側にメリットがあるように受け取られます。実際はそれだけではなく、採用試験を受ける学生側にとっても大きなメリットがあるのです。
では、通年採用での学生側のメリットを見ていきましょう。
事前準備がしっかりと行える
通年採用は、学生が就活準備をする事前の行動をしやすくなるでしょう。自己分析・エントリーシート作成、面接対策といった事前準備に向けた時間を使うことができます。
そのため、複数企業に対応できるような対策を練っておけることで、納得できる就職活動が行えるのがメリットです。
就職活動のスケジュールに余裕が持てる
通年採用は、就活スケジュールを組むのに都合がよく、ゆとりを持った計画が成立します。理由は、採用時期が限定されていないからです。
一定時期に面接日やセミナーなどが集中することもないので、時間に余裕を持ちながら就職活動ができるでしょう。
かつては1日複数件の面接を詰め込むという無茶なスケジュールも見受けられました。そのような過密スケジュールでのストレスが軽減されます。
通年採用導入のデメリット

通年採用にはいくつものメリットが生じます。しかし、メリットがあるということはデメリットも同時に起きやすいことがいえるでしょう。
ではどのようなリスクが発生するのか、ここでは、通年採用でのデメリットを紹介します。
企業側のデメリット
通年採用は一見すると企業にとってメリットだけがありそうです。しかし、必ずしもそうとは限りません。企業側に起こりうるデメリットについて解説していきます。
採用コストがかさむ
企業側にとっての通年採用時に想定できるデメリットは、採用・教育などでのコストの負担です。通年採用は年間を通した募集を行います。
一括採用なら1度で済むはずの採用や研修の負担も、その都度行っていくためコストがその分かかってしまうでしょう。
広告の掲載期間が長期化することや、就活イベントへの出展のコストも考えられ、ますます費用が膨らんでいきます。
採用担当者の負担が増える
採用担当者への負担がさらに大きくなるのもデメリットです。
新卒一括採用なら短期集中して取り組めるのに、通年採用にしてしまうと常に募集・選考を繰り広げるため、採用担当者の負担はより大きくなります。
とくに採用担当だけではなく本来の自分の業務を兼務している場合も珍しくありません。
スケジュール管理と力量が問われ、個人差も生じやすくなることから、社内全体への影響も考慮しなくてはならないでしょう。
学生のすべり止めに利用される可能性がある
通年採用は、応募者の質や動向によって影響を受けやすくなるのもデメリットです。
新卒の一括採用の場合は、一般的な解禁に合わせた募集活動をしていくので、どの企業もほぼ同じタイミングで開始します。
しかし通年採用は、とくに解禁日が発生しないため、内定獲得ができなかった就活生が、あくまでも滑り止めとして応募してくる可能性も考えられるでしょう。
理想とした新人を獲得できないこともあり得ます。
学生側のデメリット
学生にとっての通年採用のデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、学生側に想定できるデメリットを、いくつかあげていきましょう。
企業から高いスキルや能力を求められる
通年採用のほうが一括採用よりも、能力重視などの厳しめの審査になるデメリットがあるでしょう。
新卒一括採用よりも時間的な余裕が生まれることから、企業側からの採用条件やレベルも高くなる傾向です。
一括採用でなら甘い点数で認められてことでも、通年採用になると通用させないこともあり得ます。通年採用を志望する就活生は、普段以上に準備へ力を注ぐ必要があるでしょう。
情報収集・スケジュール管理の難易度が高くなる
通年採用になると、より情報収集のハードルも上がっていき、自分のスケジュール管理に注意を払う必要が出てきます。
各企業が独自の採用活動を行うことにより、面接日などの各スケジュールも散漫になりがちです。
他社と混同した面接日程のダブルブッキングをするかもしれません。正確なスケジュール管理能力が問われるでしょう。
通年採用を成功させるポイント

今までの新卒一括採用の形式から、通年採用へと移行させたいと思っている企業は、どのような点をポイントにして展開すれば成功するのでしょうか。
実際に通年採用に切り替え・導入を試みた企業の多くには、以下のような成功への秘訣があります。では、通年採用導入の成功ポイントを紹介します。
入社の時期を限定する
通年採用導入の成功ポイントとして、学生が入社できる時期を考慮してスケジュールを組むことが大切です。一括採用の場合なら、学生のほうが企業の採用スケジュールに合わせていくのが通例です。
しかし、通年採用の場合は、スケジュールの主役は学生側となります。テスト期間・夏休みなど大学のスケジュールに合わせた計画が望ましいでしょう。
あるいは、海外からの留学生を対象にするのなら、9月〜10月に入学するため、卒業時期もそれに合わせて採用募集をするのがポイントです。
つまり、採用したい学生のスケジュールを調べて、状況に合わせた対応は成功のための最優先事項となります。
通年採用に合った職種に募集を限定する
通年採用導入の成功ポイントの一つとしては、通年採用のシステムに都合の良い職種にだけ限定して行うことが望ましいでしょう。
例えば、総合事務や営業などは、いつでも随時募集をかけることが可能です。しかし、その企業によっては繁忙期や閑散期などもあり、そこに集約して必要な部署も出てくるはずです。
製造業などは、現場作業スタッフの拡充へ合理的に組むことがポイントです。いつ、どのようなタイミングで行うかは、職種の状況から判断してみるとよいでしょう。
選考方法を見直す
通年採用導入を成功させるポイントは、今までの選考方法を見直して、改善すべきところは思い切って改革することにあります。
通年採用は、当初コストがかかる可能性があります。それを見越して、工数の削減などに工夫しながら採用体制を整える必要があるでしょう。
中でも募集広告やエントリー受け付けは一括採用よりも回数が増えます。選考、採用判断、研修の流れについても年間のスケジュールを改めて見直さなければ成立しません。
応募条件の制約を緩和する
通年採用を導入して成功させるポイントの一つは、応募条件による制約を最小限に抑えることです。通年採用を導入する場合、必ずしもその年の大卒者にこだわる必要がありません。
新卒・既卒、就業経験に関係なく募集するほうが、幅広い人材が獲得できるからです。
場合によっては、大学1〜2年生の時点で内定を出して、その後の学校生活を送ってもらうという、新しい発想での採用も実現できます。
人材条件をわざわざ限定する必要がないので、企業の理想とする人材に巡り合えるチャンスが増えるでしょう。
採用活動を行うエリアを拡大する
通年採用の成功ポイントとして、エリアの拡大も考えておきましょう。
企業の考え方や規模次第ですが、自社周辺のエリアに限定して採用活動を行うにとどまらず、地方都市や遠方のエリアでの人材確保ができるのなら理想です。
採用はどうしても都市集約になりやすいので、競合ともマッチアップしやすくなってしまいます。地方や海外まで採用エリアがあると、多くの人材を確保できるでしょう。
通年採用で優秀な人材を採用しよう!

かつてのように日本の人口が右肩上がりに上昇していれば問題はないのですが、少子高齢化が問題視されるようになると、労働力も低下し始めます。
学生の就活状況も変化を帯びてきました。明らかに人材が不足しつつも、自分が就きたい職や企業の内定が取れないといった矛盾も生じ始めています。
通年採用の実施が広まることで、年間通じた採用活動が行え、優秀な帰国子女や留学生も取り込む機会に恵まれてくるでしょう。
よりグローバルに人材採用しないと生き残れない社会になりつつあります。通年採用は、人材不足の解決策としても効果が期待できるでしょう。
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