資金調達の具体的な方法を徹底解説!種類やメリット・デメリット・注意点は?

2023.03.09

資金調達

資金調達の具体的な方法を徹底解説!種類やメリット・デメリット・注意点は?

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資金調達にはさまざまな方法や種類があります。

この記事では、起業を検討している方やベンチャー企業を経営している方を対象に、資金調達の方法を解説します。

資金調達とは

会社を経営するために必要な資金(運転資金)を取りそろえることを資金調達といいます。

資金調達の方法は主に以下の2種類に分類されます。

  • デットファイナンス
  • エクイティファイナンス

上記2種類に加えて、以下のような方法もあります。

  • アセットファイナンス
  • 補助金や助成金の利用
  • クラウドファンディング など

それぞれにメリットとデメリットがあるため、最適な方法を選んで利用します。

資金調達と融資の違いとは?

融資は資金調達方法のひとつです。

ただし、融資と出資とでは、調達した資金の扱いが異なります。

出資は外部からの資金援助という形で資金を得ます。

一方、融資は金融機関などの第三者から資金を借入したものです。

そのため、出資は返済不要ですが、融資は返済する必要があります。

例えば前述の資金調達方法のうち、デットファイナンスは融資に、エクイティファイナンスは出資に該当します。

融資と出資、それぞれの具体例は次のとおりです。

【資金調達:融資の例】

  • 金融機関の融資
  • ビジネスローン
  • 社債

【資金調達:出資の例】

  • 株式の発行

資金調達の目的

資金調達の目的は、運転資金を取りそろえることです。

運転資金を準備する目的は、開業資金や設備投資、事業の立ち上げや拡大、企業の買収など多岐にわたります。

つまり、資金調達の目的は事業を存続および発展させるために必要な資金を集めることです。

そのため、資金調達そのものを目的にするべきではありません。

資金調達を目的にすると、資金を多く集めることに関心が向きやすくなることに加えて、事業目標が明確でなければ出資や融資が得られにくくなるためです。

事業を円滑に運営するために資金調達は重要ですが、融資の場合は返済義務があるため、資金調達の実施は慎重に検討しましょう。

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スタートアップ企業で資金調達をしたいと考えている企業様に関する主な課題は、

・スタートアップ企業で資金が足りない

・資金調達したいがやり方がわからない

・資金調達先が見つからない

の3点です。 スタートアップ企業にとって資金調達は重要なことですが、資金調達のやり方がわからない、資金調達先が見つからないという企業様が多くみられます。

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資本を増やす資金調達方法

資本を増やす資金調達方法に出資があります。

出資による資金調達方法をエクイティファイナンス(Equity Finance)といいます。

エクイティファイナンスのメリットは資金の返済義務がないこと、デメリットは会社の支配権や株式の価値が薄まることなどが挙げられます。

ここでは、エクイティファイナンスの方法を4種類紹介します。

①ベンチャーキャピタルからの出資

ベンチャーキャピタル(Venture Capital)とは、未上場のベンチャー企業に出資する投資会社や投資ファンドのことをいいます。

出資とともに、企業を成長させるための経営コンサルティングなどを行うベンチャーキャピタルもあります。

ベンチャーキャピタルの目的は、出資した企業が上場したときなどに、持ち株を売却して利益を得ることです。

出資した企業が上場しなかった場合、出資金を回収することができないため、リスクが高い投資だといわれます。

そのため、ベンチャーキャピタルからの出資を受けるためには、ベンチャーキャピタルから将来性があると判断される必要があります。

出資することで得られるメリットを提示できるようにしておきましょう。

②コーポレートベンチャーキャピタルからの出資

コーポレートベンチャーキャピタル(Corporate Venture Capital:CVC)とは、事業会社による出資や支援のことです。

CVCはベンチャーキャピタルの一種ですが、投資の目的が異なります。

CVCの目的は相乗効果(事業シナジー)を得ることです。

そのため、CVCは自社の事業内容と関連する企業に出資します。

CVCを行うメリットには次のようなものがあります。

  • 自社で研究開発するよりも、リスクやコストを抑えられる
  • ベンチャー企業のユニークな発想や技術によって、製品や市場の開拓につながる可能性がある

また、CVCから出資を受けるメリットには次のようなものがあります。

  • 自社事業と関連する大手企業との関係が構築できる
  • 大手企業から出資を受けることで信用度や認知度が高まる

③エンジェル投資家からの出資

エンジェル投資家とは、個人投資家のうち、ベンチャー企業のように創業して間もない企業に投資する投資家のことです。

ベンチャーキャピタルの目的と一致することもありますが、次世代の有望な起業家を支援するためなど、利益以外の目的で出資する投資家もいます。

エンジェル投資家から出資を受けるメリットには次のようなものがあります。

  • ベンチャーキャピタルよりも出資の判断が早い
  • 起業家としてアドバイスしてもらえる可能性が高い

一方、エンジェル投資家から出資を受けるデメリットは次のようなものがあります。

  • ベンチャーキャピタルやCVCよりも出資の額が少ない場合が多い
  • 複数のエンジェル投資家から出資を受けることで、管理にコストがかかる

④公募増資

公募増資とは、不特定の投資家に広く出資を呼びかける方法のことをいいます。

公募増資は上場企業で行われる資金調達方法です。

第三者割当増資(特定の第三者から出資を受ける資金調達方法)よりも多額の資金を集めやすいというメリットがあります。

ただし、相場が低調なときに公募増資を行った場合、株価が下落するリスクがあります。

負債を増やす資金調達方法

負債を増やす資金調達方法に融資があります。

融資による資金調達方法を、デットファイナンス(Debt Finance)といいます。

デットファイナンスのメリットは節税効果があることや会社の支配権に影響がないこと、デメリットは返済義務があることや負債が増えることなどです。

ここでは、デットファイナンスの方法を4種類紹介します。

①社債を発行する

社債とは、企業が資金調達を目的に発行する債券のことをいいます。

株式の扱いは出資になりますが、社債は借入です。

そのため、満期になると借入したお金を返済する義務があり、基本的には利子の支払いも必要です。

社債には公募債と私募債の2種類があります。

それぞれの特徴や違いは次のとおりです。

公募債私募債
違い公募の手続きを踏んで、不特定の投資家から広く資金調達を行う投資家から直接資金調達を行うプロ私募(適格機関投資家を対象とする)と少人数私募(投資家の性質は問わないが、人数制限がある)とがある
特徴多額の資金調達ができるが、手続きが煩雑公募債よりも手続きが簡単だが、少額の資金調達となりやすい

②金融機関から融資を受ける

金融機関から融資を受けるための方法はさまざまです。

融資を受ける機関に着目すると、民間金融機関と公的金融機関とに大別できます。

民間金融機関と公的金融機関とでは融資の目的が異なります。

民間金融機関の主な目的は利益を得ることですが、公的金融機関は日本経済の発展や国民生活の向上を目的としています。

また、民間金融機関であれば、信用保証協会からの保証の有無によっても融資を受ける方法が異なります。

金融機関から融資を受けたい場合、例えば次のような方法があります。

  • 信用保証協会保証付融資:信用保証協会が債務を保証する方法。創業間もない企業でも融資を受けやすくなるが、保証料がかかる。
  • プロパー融資:信用保証協会の保証を受けずに、銀行から直接融資を受ける方法。限度額がないが審査が厳しい。
  • 日本政策金融公庫の融資:公的金融機関(日本政策金融公庫)から融資を受ける方法。民間金融機関よりも融資が受けやすく低金利で、返済期間が長めに設定されている。
  • ビジネスローン:信託会社や消費者金融など、銀行以外の金融機関から融資を受ける方法。審査に通過しやすく、スピーディーに融資を受けられるが、金利が高めに設定されている。

③自治体から融資を受ける

地方自治体などの公的機関から融資を受ける方法を、制度融資といいます。

前述の信用保証協会保証付融資も制度融資のひとつです。

自治体による融資は、創業者や中小企業が資金調達を受けやすくなることを目的に行われています。

また、地方自治体だけでなく、金融機関や信用保証協会が関わる融資でもあります。

制度融資は各地方自治体によって提供されている制度の内容や種類が異なります。

そのため、詳細は都道府県庁や市町村役場に問い合わせる必要があります。

自治体から融資を受けるメリットは民間金融機関よりも金利が低いこと、デメリットは融資の実行までに時間がかかることです。

④ビジネスローンを利用する

用途が事業用に限定されているローンのことをビジネスローンといいます。

前述の金融機関から融資を受ける方法のひとつでもありますが、ビジネスローンには金融機関以外(消費者金融や信託会社など)からの融資も含まれます。

ビジネスローンのメリットは利便性の高さ、デメリットは金利が高めに設定されていることなどです。

担保や保証人が不要というビジネスローンもあります。

その他の資金調達方法

その他の資金調達方法を4つ紹介します。

①固定資産を売却する

固定資産を売却する方法を、アセットファイナンス(Asset Finance)といいます。

アセットファイナンスとは、手元の資産を売却するなどして資金調達を行う方法のことです。

具体的には、次のような方法があります。

  • 土地や建物などの固定資産を売却する
  • ファクタリング(売掛債権をファクタリング会社に売却して、現金化するサービス)を利用する
  • リースバックを利用する
  • 特許権などの無形資産を売却する

アセットファイナンスには次のようなメリットがあります。

  • 借入ではないため、利子や配当金などのコストがかからない
  • 審査がないため、比較的スムーズに現金化できる
  • 資産をもとにした資金調達方法のため、創業間もない企業でも利用できる
  • 貸借対照表から固定資産を切り離すことで、資産価値の変動にともなうリスクや負債の軽減などの効果が得られる
  • 土地や建物などの固定資産を売却した場合、維持費や管理費が削減できる

一方、次のようなデメリットもあります。

  • 売却できる資産がなければ利用できない
  • 買い手が見つからなければ資金調達できない
  • 資産を利用するコストが増えるなど、長期的な利益が減少する可能性がある

②自己資金を準備する

資金調達を実施する前段階として、自己資金を準備しておく必要があります。

これは、自己資金の多さと融資の受けやすさとに関連があるためです。

自己資金とは、自分自身が所有している資金のことをいいます。

ただし、自己資金と認められない資金もあります。

自己資産と認められない預金は次のようなものです。

  • 手持ちのお金(タンス預金など)
  • 返済義務のあるお金(親族や友人などから無利子で借りた資金を含む)
  • 見せ金と判断された資金(融資直前に振り込まれた多額の資金など)

一方、次のような資金は自己資金と認められます。

  • こつこつと貯めた自分名義の預貯金
  • 資産を売却して得た資金
  • 返済義務のないお金(出資など)
  • 退職金

③政府や地方自治体の補助金・助成金を利用する

政府や地方自治体の補助金や助成金を利用する方法もあります。

補助金も助成金も国や地方公共団体から支給されますが、補助金よりも助成金のほうが給付を受けやすいといった違いがあります(ただし、助成金という名目でも中身が補助金である場合、受給の難度は補助金同様に高くなります)。

補助金や助成金を利用するメリットは、原則としてどちらも返済義務がないことです。

ただし、補助金や助成金を受給するためには申請して審査に通過する必要があります。

さらに、補助金や助成金の多くは後払いです。

また、補助金や助成金を申請した用途以外に使用することはできません。

書類の作成が煩雑であるといったデメリットもあります。

補助金や助成金には、小規模事業者持続化補助金やIT導入補助金、働き方改革推進支援助成金、人材確保等支援助成金など、さまざまな種類があります。

目的に合う補助金や助成金を選びましょう。

④クラウドファンディング

新しい資金調達方法として、クラウドファンディングも普及してきました。

クラウドファンディングとは、Cloud(群衆)とFunding(資金調達)とをつなげた造語です。

資金調達したい理由や事業目的などをインターネット上で不特定多数に示し、支援提供を呼びかけ、目的に賛同した支援者が資金を提供します。

クラウドファンディングにはさまざまな種類があり、例えば次のようなタイプがあります。

種類特徴
寄付型基本的に返礼品はない
購入型お礼として支援者にモノやサービスなどを送る
投資型(ファンド型)支援者に事業利益の一部を分配する
投資型(株式投資型)支援者に未公開株を渡す
融資型支援者に利子を支払う

クラウドファンディングには、次のようなメリットがあります。

  • マーケティングの効果がある
  • ほかの方法による資金調達が難しい状況でも利用できる

一方、デメリットには次のようなものがあります。

  • 資金調達までに時間がかかったり、目標金額に達しなかったりする可能性がある
  • 手数料がかかる

資金調達をする際のメリット・デメリット・注意点

資金調達を行う際のメリットやデメリット、注意点について説明します。

資金調達のメリット

主な資金調達方法には、エクイティファイナンスやデットファイナンス、アセットファイナンスなどの種類があります。

それぞれの主なメリットは下表のとおりです(メリットの詳細は、前述の各資産調達方法内で解説しています)。

種類特徴方法例メリット
エクイティファイナンス資本を増やす株式の発行資金を長期間滞留させられる返済義務がない
デットファイナンス負債を増やす融資レバレッジ効果が期待できる
アセットファイナンス資産の現金化固定資産の売却スピーディーな資金調達が可能返済が不要

返済義務がない融資制度もある

資金調達方法によっては、返済義務がないことがあります。

例えば、エクイティファイナンスや助成金、補助金では基本的に返済義務が発生しません。

ただし、エクイティファイナンスを利用するためには、前提として出資した投資家が利益を得られる事業である必要があります。

資金調達のデメリット

各資金調達方法の主なデメリットは下表のとおりです(デメリットの詳細は、前述の各資産調達方法内で解説しています)。

種類特徴方法例デメリット
エクイティファイナンス資本を増やす株式の発行企業の支配権に影響を及ぼす可能性がある
デットファイナンス負債を増やす融資返済義務がある基本的に利子の支払いが必要
アセットファイナンス資産の現金化固定資産の売却ファクタリングの場合、手数料が高かったり、
経営状況の悪化を懸念されたりすることがある

ベンチャー企業は利用が難しいこともある

ベンチャー企業など、創業間もない企業や実績がない企業の場合、利用が難しい資金調達方法もあります(プロパー融資や公募増資など)。

一方、次のような方法はベンチャー企業でも利用できます。

  • ベンチャーキャピタルからの出資
  • コーポレートベンチャーキャピタルからの出資
  • エンジェル投資家からの出資
  • 社債の発行
  • 公的金融機関からの融資
  • 保証付融資
  • 自治体からの融資
  • ビジネスローン
  • 補助金や助成金
  • クラウドファンディング

資金調達する際の注意点

資金調達を行う際の注意点として、資金調達の目的を明確にすること、企業の信頼度を高めることなどが挙げられます。

事業規模・運転資金の金額・用途を明確にする

資金調達の目的は、開業資金や設備投資、事業の拡大などさまざまです。

事業規模や運転資金の金額や用途を明確にしておきましょう。

適切な資金調達を促す効果があるほか、出資や融資を受けるにあたっても必要となります。

会社に対する信用度をアップさせる必要がある

出資や融資を受けるためには、企業の信頼度を高める必要があります。

実績を積み、信頼度を高めることで、利用可能な資金調達方法も増えていきます。

資金調達は事業規模・業績を考慮して最適な方法を選ぼう!

資金調達にはさまざまな方法や種類があります。

事業規模や実績などによって、最適な資金調達方法は異なります。

それぞれの特徴やリスクを考慮して、自社に合うものを利用しましょう。

まとめ

こういったお悩みをお持ちではありませんか?

・スタートアップ企業で資金が足りない!

・資金調達したいけどどうすればいいかわからない!

・資金調達先が見つからない!

資金調達はスタートアップ企業においてとても重要なことです。

しかし、資金調達のやり方、資金調達先が見つからないといった課題が見受けられます。

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