土木と建築の違いは?業種や仕事内容・必要な資格・スキルまで徹底比較!

2023.02.21

業界分析

土木と建築の違いは?業種や仕事内容・必要な資格・スキルまで徹底比較!

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建設業に含まれる土木と建築の違いを知っていますでしょうか。

土木と建築は同じような場面で使われることが多いですが、実は定義や求められる資格・スキルに違いがあります。

本記事では土木と建築の違いやそれぞれの仕事内容の違い、必要な資格・スキルについて徹底的に比較していきます。

土木と建築の違い

土木と建築の違いについて正しく理解できていますでしょうか。

なんとなく知っていても説明はできないという方も多いように思います。

土木と建築はどちらも建設業法という法律で定められてる業種ですが、定義や担当範囲などに違いがあります。

土木と建築の具体的な違いや仕事内容について解説します。

土木

「土木」は、橋や道路、鉄道など社会生活を営む上で欠かせない建造物をつくったり、それらをつくる準備段階として地盤を整える役割があります。

また自然災害など社会における課題を解決していくという役割があります。

土木は一般的に地面の下が担当範囲となります。

建築

建築基準法によると、建築は「建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転すること」であると定められています。

「建築物」とは中に空間がある建物のことであり、マンションやアパート、住宅、ビル、学校、屋根、柱、壁などがそれに当たります。

建築の場合、土木とは違い担当する範囲が地面の上となります。

日本では土木投資と建築投資という2種類の建築投資がありますが、それぞれ運営元が違います。

土木投資は政府によって運営されますが、建築投資は民間によって行われることが多いため景気の影響を受けやすいと言えます。

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土木と建築の仕事内容の違い

ここまで、土木と建築の定義や担当範囲の違いについて解説しました。

では実際、それぞれ具体的にどのような仕事をしているのでしょうか。

下記では土木、建築の仕事内容の違いを紹介します。

土木の主な仕事内容 

土木は地面の下やインフラを担当する仕事です。

土木では主に営業、設計、測量、整地、加工計画、安全管理といった業務内容があります。

それぞれの仕事内容をより詳しく解説していきます。

営業

土木の営業は基本的に工事の仕事を探し、受注するという仕事内容になります。

公共の建築物は民間や自治体が管理しているものであるため、公共工事であれば入札になります。

一方民間工事の場合は、管理主に対し更なる工事の必要性などを聞き取り、新規受注獲得を狙っていきます。

土木の営業スタッフは、自社の強みなどを最大限アピールし、受注数を増やして売上を伸ばしていくことが求められます。

設計

土木における設計の仕事は、道路や橋、鉄道、ダムなどを建設していくにあたって、調査・計画・設計をしていくのが仕事です。

設計していく際には、設計図面、特記仕様書など工事を進めるために必要な書類を作成したり、材料費や人件費、工事費の見積もりをしていきます。

またソフトウェアや製図用器具を使用して、建築物、機械設備、輸送設備の設計をしていく役割もあります。

測量

土木における測量とは位置を測ることをいいます。

土木工事の測量では、国土地理院が定めた基準点などを活用し、その場所からどの方角にどれくらいの距離が離れているのかを計測していきます。

土木で測量を行う人は測量士と呼ばれ、道路などで三脚の上にある機器を覗きながら距離と角度を計測していきます。

整地

整地とは、住居やマンションなどの建築物を解体した後の土地をならすことです。

手や重機を使ってコンクリート、石、木クズ、ガラスなどを破壊・調整し、最後に固めることで整地完了になります。

施工計画

安全に、確実にかつ効率的に工事を進めていくため施工計画では、必ず作成する必要がある「施工計画書」という書類の作成が重要なポイントになります。

施工計画は工事内容を把握した後に発注者との協議を行い、施工計画書を作成するという流れになります。

施工計画書を作成する際は、誰にでも明確に伝わるようにわかりやすさを意識すること、品質と効率のバランスを考慮することなどが重要になります。

安全管理

建設現場は常に危険と隣り合わせの状態であり、クレーンからの重量物の落下や大型建設機械の取り扱い時の事故などさまざまな労災事故が発生しています。

安全管理を行う担当者は定められた安全管理ルールに則り作業していくことが求められます。

具体的には作業員の健康状態の確認、定期的な機材点検、吊り荷の接近の察知、落下物など上下作業のルール徹底、工法の遵守確認、危険予知運動トレーニング、転倒予防、季節に合わせた安全対策、ヒヤリハット事例の共有、高所作業用の安全帯の設置などがあります。

作業員の事故防止のため、安全管理を徹底していくことが大切です。

安全管理の担当者になるには、「施工管理技士」という国家資格・スキルを保持している必要があります。

建築の主な仕事内容

建築は地面の上、建築物を対象としている仕事です。

建築の仕事内容としては主に設計、飛び工、鉄筋・鉄骨工、内装デザイナーがあります。

それぞれの仕事内容や役割を紹介します。

設計

建築設計には意匠設計、構造設計、設備設計といった3種類の業務内容があります。

意匠設計はクライアントのニーズ・要望を聞き出し、建物全体の外観デザインや造作、内部のデザインを担当する仕事です。

またプロデューサーのように構造設計や設備設計の監理、取りまとめなどを行う役割もあります。

意匠設計を行うには、コミュニケーション能力とデザインや設計に関する資格・スキルが必要になります。

構造設計とは建物の骨組みに関わる部分を、地盤や地質、積雪などのその土地ならではの災害などを考慮しながら設計していく仕事です。

構造設計の仕事では安全性が高い構造であることだけでなく、緻密さと正確さが重要なポイントになります。 

設備設計は、照明や空調、コンセント、インターネット、ガスや上下水道などの配管などのインフラ設計を行う仕事です。

インフラは生活する上で欠かせない要素であるため、快適な環境であるか、しっかり使えるかなどを確認することが大切です。

とび工

とび工は主に屋外の高所で足場の組み立てや解体、タワークレーンの組み立て・解体、鉄骨の組み立てなど危険な作業を伴う仕事です。

主に高層マンションや商業ビル、病院、空港、学校、などが仕事の現場になります。

足場やタワークレーンの組み立て・解体など建物を作る作業だけでなく、完成した後の足場の撤去を行うのもとび工の仕事です。

「とび技能士」という国家資格や、適切に判断できるスキル・高い集中力などさまざまな能力が求められます。

鉄筋・鉄骨工

鉄筋・鉄骨工は、高層マンションやビルなどの大きな建造物を支える鉄骨を、鋼材を加工して組み上げる仕事です。

設計図の作成などとは異なり、鉄筋・鉄骨工は現場ごとに違いがあるため豊富な知識・スキルと現場での作業経験が求められます。

とくに地震の発生頻度が高い日本では、建築において高い耐震性能と優れた耐久性が求められ、それらを備えた建築物の需要が高まり続けています。

内装デザイナー

内装デザイナーの仕事内容は、空間デザインとインテリアデザインの2つに分けられます。

空間デザインでは、クライアントとの打ち合わせを重ねニーズを把握し全体の色調や照明、家具の大きさ、材質などをデザインし実現していきます。

クライアントの理想を最大限実現するためには、クライアントに対して何度もヒアリングを行ったり建築家や施工業者などとも協力していく必要があります。

インテリアデザインでは家具や照明などのインテリアをデザインしたり、1から家具を設計するという役割もあります。

土木と建築に必要な資格の違い

ここまで土木と建築の仕事内容の違いについて解説しました。

土木と建築では仕事内容に違いがあるため、求められる資格やスキルも違います。

下記では土木と建築に必要な資格・スキルの違いについて解説していきます。

土木

土木の仕事では、「土木施工管理技士」「測量士」「コンクリート診断士」「RCCM(シビルコンサルティングマネージャー)」「車両系建設機械運転者」「大型自動車第一種運転免許」という資格・スキルが必要になります。

自分がしたい仕事に合わせて、資格・スキルの取得に向けて勉強を積み重ねていくことが大切です。

建設業では資格取得制度を設けている会社がほとんどであるため、現場での経験を積みながらキャリアアップを目指すこともできます。

建築

建築では「建築施工管理技士」「建築士」「構造設計一級建築士」「建築設備士」「建築CAD検定」「移動式クレーン運転士」「インテリアコーディネーター」などの資格・スキルが必要です。

これらの資格・スキルの取得だけでなく、現場での経験を重ねて技術力も高めていくことが大切です。

土木と建築の教育内容の違い

学校によっては土木工学科、建築学科を設けている場合もあります。

それぞれの学科で、勉強内容にどのような違いがあるのでしょうか。

土木と建築の教育内容の違いについて解説します。

土木

土木は主に地面の下やインフラに関する仕事がメインであるため、数学や物理、土木構造物の計算、土質工学、力学、水理学を教育のメインとしているところが多いようです。

建築

一方建築では地面の上、建築物に関する仕事がメインになるため、芸術や工学、数学、物理、建築物の歴史、デザインなどを主な教育内容としているところが多いです。

学生時代に学ぶ内容は将来役立つ基礎知識となるため、しっかり身につけておきましょう。

土木と建築の違いを理解して仕事を選ぼう

ここまで土木と建築の定義や仕事内容の違い、それぞれに必要な資格・スキルの違いについて解説しました。

それぞれの仕事内容、求められるスキルや能力などの違いを理解し、自分がなりたい仕事を選択していきましょう。

また土木では公務員を募集しているところが多いため、公務員になりたいという方は土木を選択することをおすすめします。

一方建築は主に民間であり、公務員を募集しているところは比較的少ないという特徴があります。

違いがあってもどちらも私たちの生活に必要な仕事

土木、建築は細かく見ると仕事内容や活躍の場が違いますが、インフラや住居などどちらも私たちの生活には欠かせない最も重要なものです。

土木も建築もクライアントの喜ぶ顔を直接見ることができる、やりがいのある仕事であることは間違いありません。

人の役に立ちたい、人の喜ぶ顔が見たいという人にとっては、非常にやりがいのある仕事であるといえます。

自分の長所を活かした仕事に就こう

これから土木や建築などの建設業に関わる仕事をしたいという方は、まず自己分析を通して自分の長所を把握することが最初の大切なステップです。

そして自分の長所を最大限発揮することができる仕事に就いていきましょう。

まとめ

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