SIer業界とは?転職の際に知りたい仕事内容や市場規模・将来性を解説!

2023.02.07

業界分析

SIer業界とは?転職の際に知りたい仕事内容や市場規模・将来性を解説!

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近年では、IT企業にお勤めでない方でもSIerという言葉を聞く機会が増えました。

しかし、SIerとは何かと聞かれても、即座に正解を答えられる方は少ないのではないでしょうか?

そこで今回は、単純明快にSIer業界とはどのような業界なのかと仕事内容や市場規模、将来性について解説します。

SIer業界とは

SIer業界とは、情報サービス市場の一つに数えられる、システムインテグレーションを行う事業者の業界です。

システムインテグレーションとは、顧客のITシステムのコンサルティングや設計・開発・運用を一手に引き受ける事業です。

主な顧客は、医療機関や金融機関、官公庁などの非IT企業です。
多くのSIerは一括でさまざまなシステムを請け負い、子会社や下請け企業に業務を委託します。

このような業界構造から、別名「ITゼネコン」とも呼ばれています。

SE・SESとの違い

SIerとは顧客の課題を解決するために、システムを企画・構築し、運用保守を請け負う企業を指します。
社内には、多くのSE(システムエンジニア)やPG(プログラマー)が在籍し、受注案件を開発します。

 SEは主に要件定義や設計業務を行い、PGはシステムの詳細設計をもとにして、実際に開発を行います。
システムを納品した後は運用保守で利益を上げます。

一方でよく間違われる業種としてSESがあります。
SESはシステムエンジニアリングサービスの略です。

システムの開発や運用を行う点ではSIerと同様ですが、このような業務のために委託契約で技術者を派遣するサービスです。

つまりSES企業に在籍しているエンジニアは契約先企業に通って働くことになります。

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SIerの仕事内容・年収

SIer業界のことや SE・SESとの違いを理解したところでSIerの仕事内容と年収に関して解説します。
詳しく見ていきましょう。

仕事内容

SIerの仕事内容は、クライアントの業務を把握・分析し、課題を解決するためのコンサルティングはもちろん、設計、開発、運用、保守までを請け負います。

クライアントごとに課題は異なるので、請け負う仕事も幅広くなります。
また、クライアントによってシステム開発の規模もさまざまで開発に数年を要するプロジェクトもあります。

実際は、クライアントから請け負った仕事をSIerが一社で行うことはまずありません。

SIerは、プロジェクト全体を統括するトータルコーディネーターとして、ビジネスパートナーのハード製品のベンダー、パッケージソフトベンダー、ソフト開発企業、通信会社などとシステム開発を行います。

SIerは全体の統括が主な仕事なので、自身でプログラミングを行うことはまずありません。

ただし、若手の場合は仕事の全体像を把握する意味で、下請け企業と一緒にプログラミングすることもあります。

年収

ここでは年収が高いSIer企業のランキングを紹介します。
以下の金額はあくまでも平均年収なので、必ずこの年収を手にできるわけではありません。

社名平均年収
1野村総合研究所1,232万円
2ISID1,057万円
3オービック960万円
4伊藤忠テクノソリューションズ941万円
5ネットワンシステムズ869万円
6富士通859万円
7NTTデータ852万円
8日鉄ソリューションズ845万円
9大塚商会823万円
10NEC814万円

参照:IT系上場企業の平均年収を業種別にみてみた 2022年版|Publickey

この市場では、コンサルタントに強みを持つ野村総合研究所が昨年に引き続き平均年収1,000万円を超え1位を守っています。
また、安定した経営基盤を持つISIDが上位に位置しています。

IT・通信市場の中でSIerは最も年収の高い業種です。
20代から30代の伸びが大きく、キャリアが年収に反映されることが考えられます。

SIerの種類・分類

企業の経緯から、現在無限に存在しているSIerは5種類に分けられ、それぞれ業務内容が異なります。

ここではSIerの種類・分類について解説します。

ユーザー系SIer

 IT以外を本業としていた大手企業が、情報システム部門を作り子会社として独立させた業態です。

ユーザー系SIerは、それぞれの業界に応じて「金融系」「通信系」「商社系」などと細分化される場合もあります。

もちろん親会社からシステム運用や保守の案件を受注しますが、そこで得た業務知識をもとに、他社からの案件も受けます。

メーカー系SIer

コンピューターを中心としたハードウェアメーカーの情報システム部門が分社した業態です。
基本的には親会社から案件を受注することが多いので経営が安定しています。

また、メーカー系SIerはインフラやアプリケーションなど、自社で一連のシステムを構築するので、幅広いシステム開発に携われます。

外資系SIer

外資系は、日本のみならずグローバル市場で事業を展開するSIerです。
外資系のSIerは年収が高い傾向で、代表的な企業には「IBM」や「日本HP」などがあります。

独立系SIer

文字通り親会社がなく独自の経営をしているSIerです。

業務はシステム開発の比重が高めですが、自社が開発したプロジェクトに関しては、そのまま保守・運用もこなしながら、追加案件を受注することも多いです。

ベンチャー的な部分もあるので、新しい技術やテーマにも多く関わることが可能です。

独立系SIerの特徴は、社長の考え方一つで大きく変わってくるので、企業理念や社長メッセージなどをしっかり読み込むことをおすすめします。

コンサル系SIer

システム開発よりも、経営戦略に合わせた形でのIT技術の提案やコスト削減のためのシステム導入の提案などの最上流工程を担当する業態です。

開発がメインではないので、少数精鋭になりがちです。
システムの提案力が高いので、将来起業を希望される方にはおすすめの仕事です。

ただし、激務になる傾向が高いので、入社前に企業の評判の確認を忘れないようにしましょう。

SIer業界に必要なスキル

SIerで働くために何か必要なスキルはあるのでしょうか?
役立つ資格とともに合わせて見ていきましょう。

論理的思考

論理的思考とは、「物事を体系的に整理したり、道理にそって筋道を立てて考えたりする能力」です。

要件定義や設計工程で、論理破綻した仕様書を書くと、欠陥品ができてしまいます。

特に大規模な金融システム開発のプロジェクトでは、一つの論理的欠陥が取り返しのつかない事態になってしまうこともあります。
そのため論理的思考は非常に重要です。

ITスキル

ITスキルは、プログラミングスキルはもちろん、データベース、ネットワーク、セキュリティ・アルゴリズムとデータ構造などの基礎知識全般です。

また、SEは実際に手を動かしてプログラミングする機会はまずありません。
ただし、プログラミングの経験があった方が、実際にプログラミングを実装される方によい指示を出せます。

そのほかのIT知識に関しても、IT関連の仕様書を作る上では必要です。

プロジェクトマネジメントスキル

プロジェクトには必ず納期があります。
予定通りにサービスを納品するためには、プロジェクトマネジメントスキルは必須です。

スケジュール通りに中間目標は達成しているか、万一遅延が発生していたとしても、リカバリーできるかなどを常に確認する責務があります。

人員などのリソース管理も大切です。
そのためには、メンバーとのコミュニケーションが重要になります。

プロジェクトマネジメントスキルを発揮するためにはコミュニケーション能力も必須です。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力とは「相手とスムーズに意思疎通を図れる力」のことです。
コミュニケーションを取る相手は、主にクライアントと協力会社のビジネスパートナーです。

クライアントに対しては、仕様に落とし込むための実装できるシステムの提案を行う必要があります
ビジネスパートナーに対しては、作業の進捗管理が必要です。

双方とよりよい関係を築くためにはコミュニケーション能力が必要です。

役に立つ資格

SIerで働くために必ず必要となる資格はありません。
しかし、資格を取得すれば、ITに関する基礎知識を習得したり、自分のスキルを証明したりする際には役立ちます。

ここからはあると役立つ資格を3つ紹介します。

マイクロソフトオフィススペシャリスト

Word、Excelをはじめとする、マイクロソフトオフィス製品に関する資格です。
世界的な資格試験で、合格認定は世界で適用されます。

開発業務に直結するわけではありませんが、多くの企業でオフィス製品は使用されていますので、取得しておけばプラスに働きます。

基本情報技術者

独立行政法人情報処理推進機構が主催するエンジニア向けの資格で、まず取得すべき資格です。
エンジニアに必要な基本的な知識を幅広く出題されます。

難易度は合格率25%と難易度の高い試験なので準備をしっかり行い試験に臨まないと合格は難しいでしょう。

IT市場でエンジニアとしてキャリアを積みたいのであれば、取得しておきたい資格です。

応用情報技術者

基本情報技術者試験の上のレベルに位置する資格試験です。
基本情報技術者試験に合格し、次の資格を考えた場合に、まず取得する資格です。

難易度は合格率20%前後で、5人に1人が合格するレベルです。
しかしそもそも、受験者のレベルが基本情報技術者試験とは違うので同じように考えない方がよいでしょう。

試験は出題範囲も広く、実務経験を積んでいても試験対策なしに合格するのは難しいです。

SIer市場の将来性は?

昨今では、「SIerには将来性がない」などという声も聞こえてきます。
これは、SIerというビジネスモデルが時代に合わなくなってきているという考えからであると思われます。

しかし、結論としてSIerの将来性がないのかというと、現実的にはSIerにさまざまな問題はあるものの、SIer業界がなくなるわけではないと考えられています。

ここからは、将来性がないと言われてしまう原因と今後も必要とされる理由について解説します。

人材不足

従来SIerha優秀なエンジニアを多数雇用できていたので、迅速に大きな案件を同時に複数件進めるということが可能でした。

しかし、近年では労働環境が過酷とのエンジニア離れもあり。慢性的にエンジニアが不足しています。

このエンジニア不足の原因は「スキルアップが困難・労働環境が悪い」などの職場環境の問題が多く挙げられています。

職場環境が悪ければ、優秀なエンジニアたちがSIerから離れて行ってしまうのは当然です。

優秀なエンジニアの確保が難しくなっているのは、IT業界市場の中のSIerの競争力が落ちてしまう原因の一つです。

これらのことから、将来性に疑問を持たれています。

クラウドサービスの普及

SIerに将来性がないと言われる次の原因がクラウドサービスの普及です。
SIerの得意分野といえば、「企業のニーズに合わせた独自のシステムをゼロから開発すること」でした。

しかし、Amazon AWSやGoogle Cloud Platformなど「システムを一から開発しなくても使えるサービス」が登場しています。

このような「使いたいサービスを使う分のみ利用できる」柔軟なサービスの形が多くの企業のニーズをつかんでいます。

コスト面なども考慮し、自社システムを立ち上げるよりも、クラウド型サービスを利用する企業が増えているのです。

さらに、SIerに大きな利益を与えていた、運用や保守の市場もクラウドサービスに代わってきているという現状があります。

つまり、従来SIerに入っていた年間運用・保守料などの利益を失ってしまい収益に大きな影響をもたらしています。

公的機関からの案件

一方でSIerの将来性がある理由としては官公庁や金融機関などの公的機関から発注される大型案件があります。

この大型案件は定期的に発注され、セキュリティの堅牢性が特に重視されるプロジェクトです。

大型案件なので、信頼と実績のあるSIerでなければ、受注が難しいだろうと言われています。
このような公的機関からの案件の受注がSIerの収益に大きく寄与すると見られており、SIerが属する情報・サービス業全体の市場は今後も成長、将来性が見込まれると考えてよいでしょう。

SIer業界でキャリアアップを目指そう!

Web、IT業界でキャリアアップを目指す人の形に「SIer」でエンジニアの実践経験を積んで、スキルが身に付いたら独立するという流れがあります。

フリーランスとして独立できれば、収入アップのほかに自由な時間も期待できるでしょう。

その一方で、「自分で案件を獲得しないと稼げないリスク」や「短期契約になってしまうリスク」に常に晒されることになります。

このようなリスクを減らすためには、案件を紹介してくれるサービスに登録するなど、なるべく案件に困らないようにしておくことで将来性に期待できるのです。

まとめ

こういったお悩みをお持ちではありませんか?

・スタートアップ企業の見極め方がわからない
・希望に見合うスタートアップ企業が見つからない
・スタートアップに関する情報が足りない


転職に対する壁が低くなりつつある近年でスタートアップ企業に転職したい方も少なくありません。そんな中、自分に合ったスタートアップ企業を見つけることに苦労している方が多くいます。

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