近年、フリーランスになりたいと考える方の数は増えており、多くの方たちが会社に依存せずに自分のスキルで稼げるようになりたいと考えています。

とはいえ、フリーランスに対して「不安定な働き方」「年収が低そう」といったイメージを抱かれる方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、フリーランスについて年収やメリットとデメリット、年収をアップさせるための方法、年収をアップさせるためのスキルなどについて解説していきます。また、本記事の最後にはフリーランスで年収が高いおすすめの職業を紹介します。

フリーランスの年収は低い？

フリーランスへの転身を検討している方の中には、フリーランスの年収の低さを懸念して踏み出せない方も多いと見受けられます。確かに、フリーランスは努力しだいで年収をアップできるというメリットがある一方、これから見ていくように平均年収は日本の平均年収を下まわります。

以下、フリーランスの基本を理解した上で、年収事情について見ていきましょう。

フリーランスと会社員・個人事業主の違い

まずは、フリーランスと会社員・個人事業主の違いを確認していきましょう。

・フリーランス

フリーランスとは企業や公的機関などに属さずに働いている人を指す。自分自身のスキルを活かして案件単位、もしくはプロジェクト単位で契約を結び、成果物に対して報酬を受け取るのが一般的。フリーランスにはカメラマンや動画編集者などクリエイティブな職業も多数含まれる。仕事は自分で獲得しなければならず、案件を獲得できなければ報酬は発生しない。

・会社員

会社員とは企業や公的機関などに所属している人を指す。勤務している機関と直接雇用契約を結んでいる。時間や場所に縛られた働き方になりがちであるが、毎月定まった給与が振り込まれる他、ボーナスを受け取れる場合もある。

・個人事業主

個人事業主とは法人を設立しない状態で事業所得を得ている個人を指す。また、事業主1人で事業を行う場合に限らず、家族や知人など複数で事業を行っていても法人でなければ個人事業主に該当する。個人事業主には店舗の経営や飲食店の経営なども含まれる。フリーランス同様、自身で売上をつくらなければ収入は発生しない。

フリーランスの人口

中小企業庁による「2019年版「小規模企業白書」全文」によると、フリーランスの人口は440万人程度と推測されています。

また、ランサーズの「フリーランス実態調査2021」ではフリーランス全体の人口は2018年における1151万人から1672万人に上昇したことが明らかになっています。

近年、若年層を中心にフリーランスの人気は上昇しているため、今後さらに増えると見込まれるでしょう。

フリーランスの平均年収・給料は？

日本人の平均年収は440万円程度といわれています。一方、「フリーランス白書2020」によると、フリーランスの平均年収は200万円未満、および200万〜400万円が全体の約45％を占めるという結果に。そして、次いで多い年収は年収400万〜600万円で全体の約2割です。

このデータからフリーランスの平均年収は日本人の平均年収よりも低く、高い収入を稼ぐのは容易ではないということがうかがえます。

しかし、フリーランスの中にも年収1000万円の人は少なからずいます。年齢や勤続年数に関わらずスキルや経験しだいで、収入をアップできるのもフリーランスならではの特徴です。

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フリーランスのメリット・デメリット

フリーランスとして働く上で、メリットとデメリットがあります。フリーランスへの転身後に後悔しないためにはメリットだけでなく、デメリットについても事前にしっかりと把握できているかが鍵となります。

以下、フリーランスのメリットとデメリットを見ていきましょう。

フリーランスのメリット  

フリーランスのメリットとして以下の3つが挙げられます。

• 好きな時間に働ける
• 業務実績が自分のスキルになる
• 実績が上がれば年収も増える

それぞれについて詳しく解説していきます。

好きな時間に働ける

フリーランスには会社員のように定まった勤務時間は基本的にありません。納期までに仕事を仕上げればよいため自分にとってもっとも都合のよい時間に作業を行えます。

柔軟な働き方を実現できるため育児や介護との両立しやすい他、複数の仕事を平行して進めることも可能です。

ただし、好きな時間にばかり働いていると、高い年収を得られないので注意が必要です。

業務実績が自分のスキルになる

フリーランスは業務実績が自分のスキルになります。案件をこなすほどスキルもおのずとアップします。

自身の成長を常に実感しながら働くことができるため、やりがいを感じる方も多いです。

実績が上がれば年収も増える

フリーランスに転身したばかりの頃は時給が最低時給に満たなかったり、会社員時代よりも年収が下がったりすることも珍しくありません。

しかし、フリーランスとしての経験を積み、実績を蓄えていくことで年収をアップさせることができます。フリーランスは過去の実績を提示して営業活動を行うため、実績が上がれば上がるほど仕事を獲得しやすくなる他、好条件の仕事を獲得しやすくなります。

自分しだいで年収をいくらでもアップさせられるのもフリーランス特有の利点です。

フリーランスのデメリット

フリーランスのデメリットとして以下の3つが挙げられます。

• 収入が不安定
• 新しいスキルを習得する機会がない
• 様々な税金がかかる

収入が不安定

フリーランスは会社員と違い、月々定まった給与が振り込まれるわけではありません。その月の仕事量や案件の単価などによって収入は大きく前後します。

例えば、年収500万円を数年にわたって稼ぎ続けている方であっても、案件の終了などによっては年収が200万円程度にある年に突然下がってしまうこともありえます。

また、フリーランスの中には自身の来年の年収だけでなく、来月の収入さえも予想がつかないという方も多いです。

新しいスキルを習得する機会がない

会社員であれば会社から研修を受ける機会が提供されたり、上司の指導のもとで新しい仕事に挑戦したりする機会が得られます。

一方、フリーランスはスキルの取得は自分の判断で行うしかありません。そのため、社会や市場に常にアンテナを張り、どのようなスキルが今求められているのか把握する必要があります。また、フリーランスは単独で基本的に働くため、誰かに仕事を教えてもらえるような機会を得られないことが多いです。

新しいスキルを取得しなかった場合、フリーランスとしての市場価値が下がり、年収が下がる可能性もあるので注意してください。

様々な税金がかかる

会社員として働いていれば毎月の給与から税金が差し引かれた金額が支払われます。しかし、フリーランスは自分自身で税金の支払いを行わなければなりません。

思っていたよりも納税額が高いと嘆くフリーランスも多いと見受けられます。

フリーランスが年収をアップさせるための方法

フリーランスを名乗ることは簡単ですが、ある程度の年収を継続して得ることは容易ではありません。フリーランスとして長期的に収入を得たい方は、年収をアップするための方法を知っておく必要があります。

フリーランスが年収をアップさせるための方法として以下の4つが挙げられます。

• 平均年収の高い職種を選ぶ
• 専門スキルを習得する
• 活躍したい業界の実績を作る
• フリーランスエージェントに登録する

それぞれについて詳しく解説していきます。

平均年収の高い職種を選ぶ

フリーランスと一括りにしても、職種によって平均年収は大きく異なります。参入するハードルが高い職業ほど、平均年収が高い傾向にあります。

フリーランスとして高い年収をもっとも得やすい職業はコンサルタントです。コンサルタントの中には年収800万円以上の方も多くいます。

また、ITエンジニアもコンサルタント同様に高い年収を得やすく、年収800万円台も現実的といえるでしょう。その他にも、Webサイトのニーズの高まりなどからWebマーケターの需要も高まっており、この職業も近年において高い年収を得やすくなっています。

専門スキルを習得する

前述のようにフリーランスとは自分のスキルをウリにして稼ぐ人たちのことです。専門スキルや深い知識を有するフリーランスは市場価値が高く、高額な報酬の仕事も請け負いやすくなります。

専門スキルを有しているフリーランスの中には会社員時代よりも年収がアップしたという方も多いです。

活躍したい業界の実績を作る

フリーランスとして成功するためにはさまざまな業界に足を踏み入れるのではなく、まずは一つの業界できちんと実績を作ることが重要です。

フリーランスは自身の業務実績やこれまでに請け負った仕事などをPR材料として営業活動を行います。そのため、特定の業界でさまざまな経験をし、評価できる実績を多く持っている人は選考時に有利になります。

一つの業界に専念することが高額な年収を得るための近道といえるかもしれません。

フリーランスエージェントに登録する

自身で仕事を見付けることができない方や思うように年収をアップできない方には、フリーランスエージェントの活用がおすすめです。

フリーランスエージェントは希望する年収や条件を踏まえた上で、採用の見込みのある案件を紹介してくれます。また、フリーランスエージェントの中には応募書類の添削などをしてくれるところも少なくありません。

また、高いスキルのある方や前職で評価できる実績のある方は、自分では見付けられないような好条件の案件を紹介してもらえることもあります。

フリーランスの年収アップに必要なスキル

フリーランスの年収アップにはスキルの取得が不可欠です。

フリーランスの年収アップに必要なスキルとして以下の5つが挙げられます。

• コミュニケーション能力
• セルフマネジメント能力
• 情報解析能力
• 情報収集能力
• 行動力

それぞれについて詳しく解説していきます。

コミュニケーション能力

フリーランスと相性のよい職業にはWebライターやエンジニア、Webデザイナーなど一人で黙々と作業を行うような職業も多いです。また、クライアントとはテキスト上のやりとりのみという案件も少なくありません。

しかし、フリーランスにコミュニケーション能力は不可欠といえます。相手に配慮した会話やビジネスマナーを踏まえた会話ができることは最低条件です。また、分からないことは質問する、返信をすぐにするなどといったこともコミュニケーション能力に含まれます。

セルフマネジメント能力

フリーランスには定まった勤務時間がない他、仕事をするように促してくれる人がいないため、自分でスケジュールを立てて、自らを律して仕事に臨まなければなりません。

スキルが高く、深い知識のあるフリーランスでもセルフマネジメント能力が低いと、長く稼ぎ続けることは難しいでしょう。

セルフマネジメント能力が低いばかりに会社員時代の年収を下まわってしまったという方も少なからずいます。

情報解析能力

ネット社会といわれる昨今、インターネット上には多くの情報が溢れています。しかし、その中には不正確な情報も含まれています。

フリーランスには自分で情報を解析し、その情報の信ぴょう性を確かめる力が求められます。

情報収集能力

近年、ビジネスを取り巻く環境は急変しています。高い需要があったスキルが突然にしてそうでなくなってしまうこともありうるでしょう。

さまざまな情報を収集した上で、自身のキャリア計画を長いスパンを見据えて立てる必要があります。

行動力

前述のとおりフリーランスは自分で仕事を獲得しなければ収入は発生しません。そのため、受け身の方や自分からアクションを起こすことが苦手な方は、困難に思えることが少なくないでしょう。

行動力のあるフリーランスは営業活動を積極的に行ったり、クライアントに対してさまざまな提案を行ったりしています。

フリーランスとして一定以上の年収を得るためにはスキルだけでなく、行動力も不可欠です。

フリーランスで年収が高いおすすめの職種

フリーランスで年収が高いおすすめの職種として以下の6つが挙げられます。

• コンサルタント
•  ITエンジニア
• Webマーケター
• 専門業・士業
• Webデザイナー
• Webライター

それぞれについて詳しく解説していきます。

コンサルタント

コンサルタントとはクライアント企業が抱える課題に対して、解決策の提案を行う仕事です。最近は、解決策の提案から実行サポートまでを一貫して行うコンサルタントも増えています。

フリーランスのコンサルタントにはコンサルティングファーム出身者や、特定の業界でさまざまな経験を積んだ上で独立された方が多いです。

ITエンジニア

社会におけるあらゆる場所にITが導入されている昨今、ITエンジニアの需要は高まっています。また、日本ではIT人材の不足が深刻なため、ITエンジニアを求めている企業も多いです。

ITエンジニアと一口にいっても、システムエンジニアやネットワークエンジニア、セールスエンジニア、データベースエンジニアなどさまざまな種類があります。フリーランスのITエンジニアを目指している方は、自身がどの分野で活躍したいのか明確にしておきましょう。

Webマーケター

WebマーケターとはWebサイトやWebサービスを用いて、マーケティングを実行する人のことです。多くの人たちがWebページを日々閲覧している昨今、Webマーケターの需要は高まっています。

Webマーケターの仕事はコンバージョン率やアクセス数などで数値化できるため実力が可視化されます。企業に高い利益をもたらした経験がある方は、多くの企業から仕事の依頼を受けることができるでしょう。

専門業・士業

翻訳家や通訳、会計士など専門的、かつ深い知識を有している方の中にもフリーランスとして働いている方が多いです。

専門性を有していると案件ごとの報酬も高くなるため、高い年収を得やすくなります。

Webデザイナー

WebデザイナーとはWebサイトの構築を行う人のことです。フリーランスや個人で稼ぎたいと考えている人が増えているため、Webデザイナーのニーズは高まっていると見受けられます。

オリジナリティの高いホームページを作成できたり、他のWebデザイナーとの差別化を図ることができたりすれば、Webデザイナーとしての市場価値が高まります。

Webライター

Webライターはパソコンとインターネット環境があれば始めることができるため、比較的簡単に始められるといえるでしょう。

SEOの高い知識を有しているWebライターや前職の経験などを活かしているWebライターは高い年収を得ている傾向にあります。

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年収1000万円以上のフリーランスはフリーランス全体の1割程度といわれています。

フリーランスとして年収1000万円を目指すことは容易ではありませんが、自分のスキルや経験次第では達成できる可能性もあります。

年収1000万円を目指すためには高いスキルや専門性に加えて、基本的なビジネススキルや高いコミュニケーション能力を有していることが前提です。これらすべてをすぐに取得することは難しいですが、仕事を行いながら少しずつステップアップしていきましょう。

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