「店舗サービス業界の「はたらくを楽しく」シフトワーカーの働き方をITで変革する」   株式会社HataLuck and Person代表取締役CEO染谷剛史   インタビュー

2023.11.01

転職ノウハウ

「店舗サービス業界の「はたらくを楽しく」シフトワーカーの働き方をITで変革する」   株式会社HataLuck and Person代表取締役CEO染谷剛史   インタビュー

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「「はたらく」を楽しく」HATALUCKのサービスに迫る

株式会社HataLuck and Person 代表取締役CEO 染谷剛史

染谷社長のご経歴について

1998年、リクルートグループ入社。中途・アルバイト・パート領域の求人広告営業に従事。新人賞を受賞。マーケットプロデュース部門に異動し、WEB・モバイル系新商品開発に従事。2001年、株式会社デジットブレーン入社。副編集長、広告局マネジャー。大手ホテルやハウスウェディングのPRコンサルティングに従事。2003年、株式会社リンクアンドモチベーション入社(東証一部上場)。大手小売・外食・ホテルといったサービス業の採用・組織変革コンサルティングに従事。2012年には同社執行役員に就任。以後も新規事業開発(グローバル事業・健康経営部門の立ち上げ)を経て、サービス業に特化した組織人事コンサルティングカンパニー長を務める。2017年、ナレッジ・マーチャントワークス株式会社(現 株式会社HataLuck and Person)を設立し、代表取締役に就任。多店舗展開型企業の経営・組織変革を目的にサービス産業に特化したコンサルティング全般を行う。

創業について

どのような経緯でHataLuck and Personを創業されましたか?

日本ではローンを組んだり、クレジットカードを作ったりといった銀行や金融サービスは、契約者が正規雇用であることを前提とした契約になっています。しかしながら日本は、労働力の半分が非正規雇用であるため、実際にはそういったサービスに契約できないことが多い。つまり、信用がないからお金が借りられない、ローンが組めないといった状況にあるんですね。
さらに、非正規雇用者が多く働いているサービス産業は日本のGDPの6割を超える基幹産業です。だからこそ、そのような人たちにもスポットライトを当てて、働く人々を労働市場の主役として巻き込んでいかないといけないと感じました。そこで、サービス業で働く人々の「業務」と「心」の負担を圧倒的に楽にしたいということを経営テーマに創業いたしました。

HataLuck and Personの社名の由来は?

元々は「ナレッジ・ マーチャントワークス株式会社」という「知識商人を作る工房」という社名で創業しておりまして、創業5年目を迎えた2022年に、「株式会社HataLuck and Person」と変更いたしました。そもそもプロダクト名である「はたLuck®︎」は、店舗サービス業に従事する人々に「仕事を通じて幸せを感じてもらいたい」という思いから名付けられました。
また、テクノロジーはあくまでも人間の持つ力を拡張するものであり、サービス業の現場の主役はあくまでも人であり、人が介在することでサービスの品質が高まることに本質的な価値があると考えています。つまり、テクノロジー=「はたLuck®︎」を通じて、人=Personの潜在能力を解放すること。なので、あえて「Person」を社名に入れることで、テクノロジーを通じて人々の心(こころ)が満たされる社会を実現したいという思いを示しています。
このような私たちの考え方やプロダクトに込めた思いを今一度ストレートに発信するため、社名とプロダクト名を合致させて、プロダクトに込めたメッセージを社会に対しより強く訴求していきたいと考え、社名変更に至りました。

HataLuck and Personについて

解決したい業界の課題やクライアントのペイン

学生時代にアルバイトの経験したことがある方って多いと思うのですが、思い出してもらうと業務のやり取りを大学ノートでやっていませんでしたか?
すごく非効率かつ店舗の業務情報が伝わりづらい状況だったかと思います。今は深刻な人手不足で、店長すら店舗にずっといられない状況です。特に飲食業は複数店舗の店長を兼務していることも多く、1ヶ月に8日か9日しか、同じ店舗に出勤できないこともざらにあるんですね。
そうなった時にやり取りするツールが大学ノートだと、本部から店舗への指示はこの店長が居る時にしか、アルバイトさんたちに伝えることができません。それでは店舗の生産性は上がらないですし、売上も上がらない悪循環になってしまいます。
それが、365日積み重なることで販売機会の大きな損失になっていますし、お客さまからのクレームにつながり、リピート客が作れない、競争力のない店舗になってしまうのです。

事業概要を教えてください

私たちは店舗サービス業に特化した、独自の店舗DXアプリ「はたLuck®」を通じて店舗の抱える課題を解決するサービスを提供しています。小売・飲食・サービス業に特化した【本部-店舗-シフトワーカー】を一気通貫でつなぐ店舗マネジメントツールです。これまで別々のツールで管理されていたコミュニケーション・教育・シフト作成・評価に関する機能をオールインワンでスマホアプリに搭載したものとなります。

提供するサービスの特徴を教えてください

「はたLuck®︎」は、1個のアプリに複数の機能を最初から装備しているのが特徴的です。最近だと「コンパウンドSaaS」とも呼ばれていますね。
私たちはそんな言葉がない時から、絶対に複数プロダクトで行くんだということを標榜していました。 なぜなら今は単一のSaaSが溢れていて、店舗で複数のSaaS企業と契約してサービスを使うこと自体が非効率であるためです。なので、1社で提供するSaaSで複数機能が使えることが業務効率化を促進するには絶対に必要だと考えています。
複数の機能とは具体的に、シフト作成や連絡ノート、本部から全員に通知するお知らせ、 トーク(チャット)、マニュアル閲覧、クーポン提供まであります。また、「星を贈る」というスタッフ同士が感謝や応援の気持ちを送り合う機能や、働くスタッフに提供されるクーポン機能で、社員だけではなくアルバイトさんたちのエンゲージメントを高めることもできるのが特徴です。

どのような案件をサポートされているのでしょうか

現在のユーザーは約19万人、1万5,000店舗です。創業当初は、私が組織人事のコンサルティングを提供していた大手企業が中心でしたが、最近は10店舗から20店舗を経営しているような企業様からも多くの受注をいただけるようになりました。
具体的には、三井不動産ショッピングパーク・ららぽーとなど全40施設、大戸屋、スポーツオーソリティ、上島珈琲、三井ガーデンホテルなど商業施設からホテル、飲食店、アミューズメント施設など幅広く導入いただいています。

今後の展望やビジョンについて

今後も非正規雇用・アルバイトの方々に給与以外の報酬を提供できるような機能やサービスを開発したしていきたいと考えています。
また、それに留まらず、サービス業に従事する人材としての価値をクレジット(信用付与)することにも挑戦していきたいと考えています。そのクレジット機能を使って、仕事で活躍されている方々が次の職業の選択の幅を広げられるよう、人材シェアや企業からのオファーも検討しています。
その人がどういうスキルを持っていて、店舗の中のリーダー役を務めていたのか、フォロワー役だったのか等が「はたLuck®︎」のデータを分析することで全て分かるようになります。
活躍している人が、データによって「私の時給は〇〇円です」と宣言してした上で企業からオファーしてもらうような仕組みを作れると最高ですよね。
「はたLuck®︎」は、従業員IDではなく個人IDで使用します。そのため複数のお店や企業に属していても、このIDひとつでどこでも働くことができます。「はたLuck®︎」のデータが自分に信用力を与えてくれて、自分によりマッチした良い仕事が提供され、なおかつ、活躍に応じてインセンティブが適用されるような世界を作っていきたいと考えています。その延長線上で、個人が働くことで得られる信用を金融サービスへと繋げていき、ローンを組みやすくしたり、お金を借り安くしたりしていきたいと考えています。そのような世界観を創れたら、働くことで幸せになることが実感できる社会が創れると考えています。

染谷社長からのメッセージ

シフトで働いている方々は、仲間と働く時間帯がバラバラで、連絡も紙などのアナログで行われているため、どんなに良い仕事をしても、仲間同士での共有がしづらく、上司からのフィードバックや褒められる機会が少ないことが課題です。
そんな環境で働いてる人たちがたくさんいるこのサービス業にやりがいを感じられるでしょうか。そういった人たちが良い仕事をした時にしっかりとフィードバックをしたり、貢献してくれている人には、クーポン等でインセンティブを提供するによって、業務効率化だけじゃなく心(エンゲージメント)の問題も解決していけると思っています。そうなればもっと自発的に考える人たちが生まれて、もっとお客さまがワクワクするユニークな売り場が誕生し、もっとリアル店舗の価値が上がっていくと思います。
スタッフ一人ひとりと本社、店舗が繋がることで、感謝やポジティブなフィードバックが行き渡っていく。ホテル・飲食店・旅館・専門小売店・アミューズメント施設といったサービス業の全てが、私はそうなって欲しいと考えています。

候補者へのメッセージ

GDPで最大の産業であるサービス業は、IT導入による効率化が遅れ、付加価値が高まらず賃金も低水準に止まっています。今後、日本は人口が減ることから、国内だけではなく、外国人観光客を増やして日本経済を回すことが必要になります。そのためには“物価が安いから”ではなく、日本でしか得られない最高のおもてなしや体験のために多少値が張っても旅行に来てくれる、つまり「日本のファン」になってもらうことが重要です。
「はたLuck®︎」を通じて業務効率化と付加価値向上につながる仕組みを提供することで、観光地域のサービス産業がしっかりと「サービス」を提供し、稼ぐ力を向上させ、日本を高付加価値型の観光&サービス立国を創り上げたいと考えています。インバウンド需要が急拡大しているここ数年が、勝負だと考えています。ぜひ、この国のモデルチェンジに挑戦したいと思う方は、応募してみてください。
また、当社は大手企業CVCからの累計約20億円の出資をうけて、上記のモデルチェンジ進める稀有な企業だと思います。大企業とスタートアップのコラボレーションは、日本ではまだまだ少ないですが、私たちは三井不動産、TOPPAN、東芝テック、オリックス、HIS、戸田建設、セーフィー、DDグループ等の資源を活用し、協業を進めています。このようなチャレンジングな環境で挑戦できることは、キャリアを考える上でも大きなメリットになるはずです。キャリア形成という観点からもぜひHATALUCKへの選考を考えてみていただきたいと思います。

※代表取締役CEO染谷様(右) ヒューマンキャピタルG星野様(左)

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