大学を中退した方や、大学中退を考えている方の中にはその後の進路である就職について不安に思っている方も多いのではないでしょうか。

大学を中退していても将来的に正社員として就職することは可能ですが、就職する際に大きくマイナスイメージを持たれてしまうことも多いようです。

今回は大学中退者のその後の将来の進路や、中退することのメリット・デメリット、後悔しないためにすべきこと、中退後の就職対策について詳しく解説していきます。

大学中退者のその後は？

大学を中退した方は、その後将来的に就職することは可能なのでしょうか。

大学を中退することのメリットやデメリットを詳しく解説します。

• 大学中退するとその後は就職できる？
• 大学中退のメリットとデメリット

大学中退するとその後は就職できる？

大学を中退してもその後就職することは可能です。

大学を中退することで、他の人よりも早い段階から社会経験が積めるというメリットがあります。

一方で、大学中退者は大卒者よりも就職活動が難しくなるということも否めません。

大学中退のメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。

大学中退のメリットとデメリット

大学中退することの大きなメリットは主に2つ考えられます。

1つ目は、早めに社会経験を積みながら自分で自立した生活を送り、将来に向けた貯蓄ができることです。学生のバイトに比べて給料は高く安定しているので、経済的な負担は大きく軽減されるでしょう。

2つ目は奨学金を借りている場合、その返還費用が減らせることです。

一方で大学を中退することのデメリットとしては、就職・転職活動のときにどうしても経歴に対するマイナスイメージを持たれやすい点です。物事を途中で諦めて投げ出してしまう印象を持たれるので、会社の人事としても採用のハードルが高く感じてしまいます。

大学を中退した後に後悔が残らないよう、上記のメリット・デメリットをよく理解するようにしましょう。

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大学中退の理由

文部科学省が実施した「学生の就学状況（中退者・休学者）等に関する調査（令和3年度末時点）」の結果によると、令和3年度における大学中退者の数は5万7,875人でした。

この数は、全体の学生数の1.95%を占める割合となります。

大学中退者はどのような理由で大学中退を決心したのでしょうか。

大学中退に関しては人それぞれの事情や特別な理由がありますが、下記では大学中退の主な理由を5つ解説します。

• 経済的な理由で学費が払えない
• 成績不振で卒業できずに中退した
• 大学を中退して専門学校に進学した
• 大学生活に馴染めずに中退した
• 起業や就職など仕事をするため

経済的な理由で学費が払えない

大学を中退する理由の1つとして、両親の収入が減ったなどの経済的な理由から学費が払えなくなってしまったことです。

学生自身がアルバイトをしてお金を稼ぐことも可能ですが、学費と生活費の全てをまかなうことは簡単ではありません。

そのため大学に通うことを諦めてしまったという学生も少なくありません。

しかし経済的な理由で退学せざるを得なかった学生に対して、再入学が可能な大学もあります。

成績不振で卒業できずに中退した

2つ目にあげられる理由としては、成績不振によって留年になり中退を選んだということです。

成績不振になる背景については、学習意欲が低下した場合や苦手科目についていけなかったという場合などさまざまです。　

進級したいけど苦手科目の単位が取れるか不安という方は、担当の先生にその旨を相談することをおすすめします。

大学を中退して専門学校に進学した

3つ目は専門学校などに転学するために大学中退を選択したというケースです。

この場合は今後の進路が明確で、専門学校で自分が学びたい分野を専門的に学びたい、将来就きたい仕事に必要な資格をとりたいなどの背景が考えられます。

専門学校への転学だけでなく、他大学に編入するという場合もあります。

大学生活に馴染めずに中退した

4つ目は、大学に入学したことで環境が大きく変化し、それに適応できなかったというケースです。

この場合は大学で気の合う友人ができなかったり、授業内容が想像していたものと大きく異なったことなどで精神的苦痛を感じて大学中退に至ったなどの背景が考えられます。

大学生活に馴染めていないという方は、自分1人で抱え込むのではなく非常勤の心理カウンセラーなどに相談することもおすすめします。

起業や就職など仕事をするため

若いうちに就職して社会経験を積みたい、起業して将来的に会社を大きくしたいなどの理由から大学中退を選ぶ人もいます。

大学を中退して就きたい仕事がある場合は、大学中退してまでもその企業に就職したいという強い熱意と意欲を伝える必要があります。

大学中退者のその後の進路

大学を中退した人たちは、その後どのような進路に進んでいるのでしょうか。

下記では、大学中退者のその後の主な進路を5つ紹介します。

• 資格取得とスキルアップのために勉強する
• 公務員試験を受ける
• フリーターやニートになる
• 専門学校など別の学校に入学
• 就職する

資格取得とスキルアップのために勉強する

よくある進路の1つとしては、自分が就きたい仕事に就職するための資格取得、スキルアップのための勉強を始めるということです。

それぞれの企業や業種により、資格を重視する場合とそれほど評価されない場合があります。

資格取得の勉強を始めるときは、自分が就きたい仕事に有利な資格であるかなどを事前に調べておくことをおすすめします。

公務員試験を受ける

2つ目は公務員になるための試験を受験することです。

公務員として就職ができれば、安定的な収入と勤続年数に応じた昇給制度があったり、定年まで仕事ができるというメリットがあります。

高卒程度の公務員試験では年齢上限が18〜21歳程度、大卒程度の試験では30〜35歳程度と決められているため注意しましょう。

フリーターやニートになる

3つ目は、定職に就かずフリーターやニートになるという選択肢です。

自ら望んでフリーターやニートになる人もいますが、中には中退前にスケジュールを明確にしていなかったために就職活動が遅れてしまったというケースも少なくありません。

しかし正社員とは異なり安定的な収入が得られないことや、社会的信用度が低くなるといったデメリットもあります。

専門学校など別の学校に入学

将来就きたい仕事が明確で、必要な資格がわかっている場合は専門学校などの別の学校に入学するという進路を選ぶ人も多くいます。

しかし専門学校も中退するとなると就職に不利となるため、本当に就きたい仕事であるかどうかを十分に考えることが大切です。

就職する

大学中退後に正社員として就職する人も多くいます。

正社員としての就職ができれば、安定した収入、昇給や賞与、社会的信用度の向上などさまざまなメリットがあります。

正社員になるためには、大学中退後のできるだけ早い段階で就職活動を行いその企業に就きたいという強い熱意と意欲を明確に伝えることが大切です。

また企業によってはアルバイトから正社員登用制度を設けている場合も多くあります。

大学中退者がやるべき就職対策

大学中退者はその後、どのような就職対策を行うべきなのでしょうか。

下記では大学中退後にやるべき就職対策を3つ解説します。

下記で示す項目は就職だけでなく専門学校などへの転学を考えている人にとっても参考になる内容です。

自己分析

大学中退者はその後、自分が今後どのような進路に進みたいかを明確にするためにまずは自己分析を行う必要があります。

自己分析を行うことで、就活の軸が明確になったり自分自身のことを面接でわかりやすく伝えることができるようになります。

就職だけでなく専門学校に進みたいという場合も、受験前に自己分析を行い自分に適した職業であるかどうかを分析することは大切です。

面接対策

自己分析ができたら次は面接対策を行います。

大卒者の就職活動と異なる点としては、大学中退の理由を説明する必要があるという点です。

面接時、大学中退の理由をできるだけポジティブに説明できるように準備を整えておきましょう。

またこれまでの反省点や今後の目標を明確に答えられるように、家族や友人に協力してもらったり模擬面接を活用しながら十分に対策を行なっていくことが大切です。

専門学校の受験を考えている人は過去の面接での質問事項などを参考にし、さまざまな質問に対して柔軟に対応できるよう練習を重ねていくことが大切です。

企業・業界分析

自分が就きたい職業が明確になってきたら、次は企業・業界分析を行います。

企業・業界分析を行う際は、企業説明会や就活サイト、各企業のホームページ、インターンシップ、内定者の声などを参考にしていくとよいでしょう。

企業・業界分析を行うことで、自分が就職を希望している業界の社会的価値や現状、将来性、今後の課題などを具体的に把握することができます。

また志望動機の明確化や面接での対応に役立つため、時間をかけて実施していきましょう。

大学中退者がその後に後悔しないためには？

大学中退者がその後の人生で後悔しないようにするためには、大学中退前後でどのようなことを心がけたらよいのでしょうか。

下記では、大学中退後に後悔しないようにするためのポイントを3つ解説します。

• 大学中退したその後の人生を考える
• 大学中退後、早めに就職活動を行う
• 大学中退者におすすめの職種を探す

大学中退したその後の人生を考える

現在大学中退を考えている人は、まず中退したその後にどのような人生を送りたいかを明確にすることで後悔することを防ぐことができます。

中退する前に、就きたい仕事や今後のスケジュールを明確にしておけばスムーズに就職活動に取り組むことができるでしょう。

また今後のスケジュールが明確になるほど、自分自身や家族の不安軽減にもつながります。

大学中退後、早めに就職活動を行う

大学中退後はできるだけ空白期間を空けずに、早めに就職活動を行うようにしましょう。

空白期間が長いと、企業によってはマイナスなイメージをもたれてしまう可能性があります。

また将来性のある若い人材の方が採用につながりやすいことが多いため、できる限り計画的にかつ早めに就職活動を行うことをおすすめします。

大学中退者におすすめの職種を探す

職種によっては学歴不問の求人を出している企業も多くあります。

学歴に不安がある方は、学歴不問の職種を探すこともおすすめします。

大学中退者でもその後に正社員を目指せる！

今回は、大学中退者のその後の進路や就職活動を成功させるためのポイントなどについて解説しました。

大学中退者は特定の分野を専門的に学ぶために専門学校に進みたい、経済的な理由で学費が払えなくなったなど人それぞれ中退を選択するに至った理由があります。

大学を中退することにより大卒者よりも早い段階で社会経験が積めるといったメリットがある一方で、就職時に不利になりやすいというデメリットも生じてしまい、後悔している人もたくさんいます。

そのためやむを得ない理由で大学中退を考えている方は、中退したその後の進路スケジュールをできるだけ明確にしておくことで、中退後の不安を軽減させ、早い段階から就きたい仕事に就職することが可能になります。

大学中退者でも、その後に正社員になることや理想の人生を歩むことは十分可能です。

まとめ

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