対談動画
内製にこだわり続けた55年間の転換 なぜ会長は自らSBRとCVCを提案したのか
出演者
渡邊 祥太郎
ソーシング・ブラザーズ株式会社 代表取締役
佐藤恒徳
株式会社アイティフォー 代表取締役会長
概要
2033年、売上高700億円へ。アイティフォーが掲げる中長期計画「HIGH FIVE 2033」の実現には、これまでの延長線上にはない成長が求められます。
約50年にわたり、自社の力で事業を育ててきたアイティフォーが選んだのは、M&AやCVC、事業開発を通じて外部の技術・人材・事業を取り込み、新たな成長を生み出す「インオーガニックグロース」でした。その推進基盤として2026年6月、ソーシング・ブラザーズと共同で「ITFOR Growth Capital」を設立しました。
なぜ今、外部の力を取り入れるのか。長年培ってきた企業文化をどう変え、外部の成長因子を自社の力へ変えていくのか。そしてその先に、地方、日本経済のどのような未来を描いているのか。
株式会社アイティフォー 佐藤恒徳会長とソーシング・ブラザーズ 渡邊祥太郎が、売上高700億円への野望から、ジョイントベンチャー設立の背景、両社が目指す未来までを語ります。
約50年にわたり、自社の力で事業を育ててきたアイティフォーが選んだのは、M&AやCVC、事業開発を通じて外部の技術・人材・事業を取り込み、新たな成長を生み出す「インオーガニックグロース」でした。その推進基盤として2026年6月、ソーシング・ブラザーズと共同で「ITFOR Growth Capital」を設立しました。
なぜ今、外部の力を取り入れるのか。長年培ってきた企業文化をどう変え、外部の成長因子を自社の力へ変えていくのか。そしてその先に、地方、日本経済のどのような未来を描いているのか。
株式会社アイティフォー 佐藤恒徳会長とソーシング・ブラザーズ 渡邊祥太郎が、売上高700億円への野望から、ジョイントベンチャー設立の背景、両社が目指す未来までを語ります。
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Chapter 01
中長期計画「HIGH FIVE 2033」に込めた野望
渡邊
中長期計画「HIGH FIVE 2033」で、売り上げ700億という数字を掲げられていますが、正直、今の段階からするとものすごく高い目標だと思います。会長としては、この会社の未来をどう描いているんですか。
佐藤
私が2017年に代表権を持つ専務になった頃、売り上げは110億でした。それをまず5年で200億にしようと今までやってきて、これから先も目指す数字は大きくなきゃいけないという思いがあり、10年後にフォーカスして700億にしました。正直、かなりハードルが高い数字であることは間違いありません。
渡邊
なぜ「HIGH FIVE」という名前にしたんですか。
佐藤
お客さんとハイタッチするという意味で「ハイタッチ」なんですよね。
私たちはB to B to Cに近いので、間に入る企業さんともタッチしますし、実際サービスを受ける住民ともハイタッチする日本全国の人とハイタッチしたいという野望です。
私たちはB to B to Cに近いので、間に入る企業さんともタッチしますし、実際サービスを受ける住民ともハイタッチする日本全国の人とハイタッチしたいという野望です。

渡邊
700億という目標を達成する上で、今、会長が感じている会社の課題はどこにあるんですか。
佐藤
50年近くやって110億程度というのは、いい意味で内製にこだわってきた結果だと思っています。中のメンバーで作って、それを世の中に提供していこうというやり方をしてきました。ただ、ある程度業界を絞ったビジネスをしている以上、今の市場だけでは目標まで伸ばしきれません。そのためには外の力も必要です。700億という目標はより良い成長因子とわれわれがマッチングし、1足す1が3になる事によって達成できる数字だと思っています。
Chapter2
外部の力を取り入れるという決断

渡邊
多くの上場企業さんとお仕事させてもらっていますが、自前だけでやってきた会社さんは、外と一緒にやろうという文化にそもそもなること自体が難しい。アイティフォーさんはそうしたマインドを、どのように発信してきたのですか?
佐藤
経営企画部を中心に、3年ほど前から経営課題ミーティングを始めています。そのなかで、数字をどう伸ばすかという話が出たとき、結局各事業部門の中でしか考えられない。今までのアイティフォーにない、新しい発想がでなかったので、その会議体の中で私が今回の発端となったコーポレートベンチャーキャピタルをやろうというのを自らの声で上げました。
渡邊
今回我々と新しくつくったジョイントベンチャーのテーマは、アイティフォーさんが「大きな企業としての目標を達成していくために今後インオーガニックグロースをどう取り入れていくか。」外にある会社や技術、人をどんどん中に入れて、M&Aも資本提携も、新しい人の採用も、全部インオーガニックグロースだと思っています。
Chapter 03
難しさの正体 ― 社内浸透という壁
渡邊
実際、この数年間、新しいスタートアップとの提携や出資を通じて、難しいなと会長が感じているところって、具体的にどのあたりですか。

佐藤
一番難しいのは社内メンバーへの浸透ですね。「これって僕の担当じゃないですよ」とか、すぐ言いがちなんです。誰がやるのという、その昔ながらの考え方を取り払うのが難しい部分です。社外に対しては腹を探ることはせず、われわれのことは全部隠さず伝え、オープンにしてきた結果うまくいってると思っています。ただ、そのオープンにするための手法をどうするかは迷った部分でもありました。
Chapter04
ジョイントベンチャー設立という決断
渡邊
今回、6月にアイティフォーさんとソーシング・ブラザーズ2社共同で、新しく「ITFOR Growth Capital」というインオーガニックグロースをより推進していくための新会社を設立しました。ここに至るまでの、会長を含めた経営陣のご決断って、どういうふうな流れでされていったんですか。
佐藤
この2年弱、ソーシングさんにいろいろなCVC先の候補を出していただきました。それを見ているだけの状態を続けていいのかとずっと思っていたのと、信頼できる先だったら我々にないものを中に入れていただくことも許容できるんじゃないかと。2033年に700億掲げていますから、それをやるには、今のうちから因子を取り込み、事業をある程度醸成させ、2033年のときには自走できるような状態にしたいという思いもありました。
渡邊
我々はインオーガニックグロースをを手段として提供させていただいている会社です。2社間でお互いの強みを1つの会社に残すことによって、アイティフォーさんが将来的に自分たちでインオーガニックグロースのノウハウ、アセットを身に付け、自分たちだけで自走できる。それがアイティフォーさんの経営戦略上必要不可欠だと感じていました。
佐藤
もともとわれわれは地方に育てていただいてる会社なんで。高齢化などいろんな問題において、地方で事業を継続できない中小の企業さんも出てきてる中で、2033年までには、そういった企業さんの橋渡しをできる会社になっていたいなという思いはありますね。
渡邊
地域経済を還流させていくプラットフォーマーになるというのも、会長がいつもおっしゃっていることです。地方にいい技術や、いい伝統的なビジネスを持っている会社さんも、このGrowth Capitalを通じて、より一層、地域経済を含めた成長をしていけるという、大きいストーリーも考えられているんですか。
佐藤
そうですね。必ずしも今住んでいる所が一番いいと思ってる人ばかりではないと思います。極端な例ですけど、沖縄の人が北海道で事業をやってみたいと思っても、誰もやってくれないというときに、われわれのGrowth Capitalが真ん中に入って橋渡しをする。それが企業同士なのか、個人が入ってくるかもしれないですけど、そんなこともできたらなと思ってますね。
Chapter 05
選んだ理由は「寄り添う力」と「逃げない覚悟」
渡邊
ジョイントベンチャーをつくる上で、お互いの相当な覚悟や信頼がないと実行まではできないと思います。ソーシング・ブラザーズは他と何が違う、何がいいと思っていただけたのかお伺いしてもいいですか?
佐藤
まず、うちの会社の理念やビジョンでもうたっている「寄り添う力」ですね。それと、「逃げない」ところ。本当にわれわれの考えに行動が伴っているのをすごく感じましたね。当然複数の会社さんの話を聞きましたけど、その中でもソーシング・ブラザーズさんには本当に真摯に対応いただけたなっていうのは、忘れないですね、ずっと。
渡邊
僕らが大事にしているのは、正解を上から伝えるんではなくて、とにかく一緒にお客さんと同じ方向で汗を流そうというところです。
M&AやCVC、インオーガニックグロース、ちょっと金融チックな、かっこいい言葉が並ぶんですけど、実は逆で、いかに泥臭く、裏側でお客さんと一緒に走れるかをすごく大事にしています。
今回で言うとアイティフォーさんの中期経営計画「FLY ON 2026」、その先の「HIGH FIVE 2033」、絶対に達成しなくちゃいけないミッションにどれだけわれわれが泥臭く寄与できるかというところだけを見据えてやっているので、目標達成にどう取り組むか、細胞レベルで数字までインプットされていると思います。
M&AやCVC、インオーガニックグロース、ちょっと金融チックな、かっこいい言葉が並ぶんですけど、実は逆で、いかに泥臭く、裏側でお客さんと一緒に走れるかをすごく大事にしています。
今回で言うとアイティフォーさんの中期経営計画「FLY ON 2026」、その先の「HIGH FIVE 2033」、絶対に達成しなくちゃいけないミッションにどれだけわれわれが泥臭く寄与できるかというところだけを見据えてやっているので、目標達成にどう取り組むか、細胞レベルで数字までインプットされていると思います。
佐藤
下手したら社員より、うちの全体の事業のことを熟知してるんじゃないかなって思いますね。CVC先を紹介してもらうときもシナジーの考え方とかの部分で毎回感じてますね。
Chapter06
新会社が担う、3つの機能
渡邊
この「ITFOR Growth Capital」という新しい挑戦的な会社を通じて、どういうチャレンジをしていきたいと思っていますか?
佐藤
グループ全体の数字的な目標というのも当然あるんですけど、我々はBtoBtoCという話もしましたし、地域還流型というところもですが、とにかく地方を豊かにしたい。そのためには、今ある商材、今あるグループ会社、それだけでは当然賄いきれないので、Growth Capitalの中から空いている穴にピースを埋めて日本を面にしたいというところですね。
渡邊
我々の強みはアイティフォーさんの挑戦的な新しいストーリーに足りないピース。事業であり、技術であり、人だと思うんですけど、これを実際に僕らがしっかり見つけてきて、このアイティフォーのグループの中で共存して同じ生態系を築いていけるのかを一緒に考えていくところだと思っています。
そういった外部の力と既存事業の両方が永続的に発展していく組織になったらめちゃくちゃ面白いなって思ってるんで、ぜひそれを会長がいる間に一緒につくりたいなって思っています。
佐藤
今回、共同で会社をつくる上でいろいろ協議させてもらって、M&A、CVC、あと事業開発・事業運営、ここがあることが結構大きいと思っていて。今のアイティフォー本体にはできないことがそこでできる。
渡邊
実は「ITFOR Growth Capital」には大きく3つのテーマがあります。1つ目がM&Aを積極的に進めていくチーム。2つ目がコーポレートベンチャーキャピタルとして、スタートアップに投資や提携をして新しい事業をつくっていくチーム。そしてもう1つが、M&AやCVC、もしくはアイティフォー本体から出てきた種をうまくゼロイチにしていく、事業開発だけを専任でやる新しいチームです。多くの大企業さんを見ていて感じるのは、二足のわらじを履きながら新規事業をやるのは成功したとしても時間がかかる。今回アイティフォーさんにGrowth Capitalを作る意思決定していただいたのも、現業が忙しい中で新しいことを同時にやるのはなかなかヘビーな中で、このGrowth Capitalで専任で育てていく。大きくなったら本体に戻す、逆にこのテーマのビジネスだったらやりたいという人をどんどん集めていって、新しいビジネスを開発するドライバー機能として御社に残っていく。そこを僕らも一緒に、ワンチームで伴走しながらやっていけたらいいなと思っています。
佐藤
まさにおっしゃるとおりですね。
Chapter07
日本経済を盛り上げたい
渡邊
アイティフォーさんみたいに上場していて、資金力も財務基盤もしっかりしている会社さんが、どんどん新しいものへ投資することによって、そのアクション自体が日本経済をよくしていくと思っています。会長も今、新しいスタートアップさんの面白い技術やアイデアにたくさん触れてると思うんですけど、彼らはお金も人もない。ただ面白いアイデアや企画は持っている。そういうところをアイティフォーのような大企業がインオーガニックグロースで成長させていく。そのためにお金も人もどんどん循環させていく、そういう方向性になっていくと日本はもっと面白くなっていくと思っているんですが、会長自体は、今まさにご自身でご決断されてそういった政策を進めている中で、そういう会社が増えるとどうなっていくと思いますか。
佐藤
これ、個人的な話でもあるんですけど、この2年間で海外8カ国行ったんですよ。見てると、日本って元気がないなってすごく感じますね。高齢化を差し置いても、元気のなさっていうのをどこの国と比較しても感じてるんですよ、ずっと。だから、元気にしたいんですよね。
渡邊
僕らもまさに盛り上げたくて、うちは「日本をアップデートする」というのを今ミッションにしています。
佐藤
他の会社を調べたことがないから分からないですけど、われわれぐらいの規模で、ダイレクトのエンドユーザーが47都道府県にいて、社員にも47都道府県出身者がいるような会社って、なかなかないと思うんですよ。だから、地方を大事にするというのもありますし、もともと地方に育ててもらったというのもあるので、地方一つ一つが元気になれば必然的に日本は元気になると思っています。黒子でもいいので、必需品である会社になりたいなと思いますね。特に、足りない部分が世の中全体で考えると非常に多いので、今回のGrowth Capitalでそこをとにかく穴埋めを徹底的にやりたいなと思ってますね。
渡邊
将来的に、最終的に47都道府県全部にアイティフォーさんのグループ企業がいたら、めちゃくちゃ面白そうですよね。そんな会社、多分ないと思うので。そういうのをぜひつくって、最終的には将来、アイティフォーさんは今はIT企業だと思いますし、もちろんITの力を使って世の中を元気にするというところも大事だと思うんですけど、もしかしたら数十年後には違う業種になっているかもしれないですね。
佐藤
サービス業ですね、多分。
渡邊
地域経済を豊かにするサービス事業は、もうすべてやっているよという、もっと大きなビッグピクチャーがあるんじゃないかなと思っているので、まずはその足掛かりとなる取り組みを一緒の会社ITFOR Growth Capitalで、さまざまな仕掛け、さまざまな挑戦、一緒にできていけたらいいなと思いますので。
佐藤
そうですね。

渡邊
ぜひ今後とも、よろしくお願いします。
佐藤
よろしくお願いします。
Profile
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株式会社アイティフォー 代表取締役会長
佐藤 恒徳 Tsunenori Sato
新卒で千代田情報機器(現・アイティフォー)に入社後、一度流通業界へ転職するも、1998年に復帰。当時まだ珍しかった“出戻り”を経験したパイオニア。“出戻り隊長”という異名を持ち、社員からも親しまれる佐藤氏は、長年にわたって同社の営業現場をリードしてきた人物。 技術者ではないが、社会を変えるITの力には強いリスペクトを抱き、「技術でモノが動くことが今でも不思議」と語るほどの好奇心の持ち主。2023年には還暦を迎え、60代にしてスタートアップとの共創に意欲的に取り組む。 同社の10年後のビジョンにも「時間の創出」とうたうなど、「時間をどう作り使うかが、すべてを決める」が持論。地に足のついた現場感と、柔らかいユーモア、そして“面白い”と思ったら即断即決する行動力で、多くのスタートアップから信頼を集めている。
Profile
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ソーシング・ブラザーズ株式会社 代表取締役
渡邊 祥太郎 Shotaro Watanabe
大和証券にて資産運用コンサルティング、M&Aキャピタルパートナーズにて中堅中小企業のM&Aアドバイザリーの経験を経て、ソーシング・ブラザーズを共同創業。