2020.12.23

介護業界のM&Aに新たなマーケットを切り拓く。ブティックス株式会社のM&A仲介サービス

ブティックス株式会社 常務取締役 速水健史

ブルーオーシャン市場を切り拓き、介護M&Aの市場で圧倒的なシェアを獲得するブティックスの速水常務に会社の特徴や求める人物像について伺った。

速水常務のご経歴を教えてください。

京都大学卒業後、日本興業銀行(現 みずほ銀行)に入行し、法人融資を中心に取引先のM&Aや事業再生案件にも携わっていました。その後、独立系のベンチャーキャピタルに転職し、買収先の会社経営や別投資先ではIPOの準備責任者として日々奮闘していました。その後当社に参画致しました。

どのような経緯でブティックスに参画されたのでしょうか。

VC在籍時にリーマンショックが起きて今後のキャリアについて考えていたところ、成長マーケットである介護業界で急成長中だった当社からお話を頂き、IPOを目指していくフェーズにもあったため、自身のキャリアを通じて更に会社を成長できると感じて参画しました。

会社について

どのような経緯でM&A事業が立ち上がったのでしょうか。

元々当社は介護用品のレンタル・販売事業からスタートし、インターネット通販事業を展開し始めたことを起源にBtoCマーケットで成長していました。その後BtoB(介護施設・介護事業所向けの販売)市場が伸びていた点に着目し、商談型展示会という形で介護事業者とサプライヤーの、経営者のマッチングが可能なプラットフォームをリアルに設けることで、実際にモノを見て、比較し、交渉ができる機会を創出できると考え、展示会事業をスタートしました。現在はオンライン展示会も開催しており、コロナ禍において企業活動が制限されている事業者様にも適切なマッチングの機会が提供できるようになり、ご好評を頂いております。

展示会事業を拡大していく中で、介護事業者の経営者から「モノや製品だけでなく、会社を成長させるために施設・事業者を買収したい」「独立資本では厳しいから大手傘下に入りたい」「後継ぎがいないため、施設を誰かに引き継いで欲しい」というお声やご相談が日に日に増えてきました。そのニーズを当社が集約しマッチングから成約までフォローしていくプラットフォームを運営していきたいと考えたことが、M&A事業のスタートになります。

介護業界特化のM&Aサービスを提供する中で課題はありましたか。

当時M&A仲介サービス自体は目新しいものではなかったですが、サービスを始める前に多くの経営者の方にヒアリングをさせて頂いたところ、既存のM&A仲介サービスを介護業界で提供するには、様々な課題があることがわかりました。
まず1つ目に、適切なマッチングが行われていない点でした。買手側には、介護業界という大きな括りの中で案件が持ち込まれることがほとんどで、業態・エリア・規模等のスクリーニングはかかっておらず、適切なマッチングが行われておりませんでした。実際には、一括りに介護業界と言っても、老人ホーム、訪問介護、デイサービス等様々な業種・業態に分かれており、更にエリアや規模感によっても得意不得意があるため、全ての案件が買収の検討対象になる訳ではありません。当社は介護M&Aに特化し、介護業界を34業態にカテゴライズすることで、売買の適切なマッチングが推進できるような体制をとっております。
2つ目に、小規模案件が多い介護業界では、既存のM&A仲介会社の手数料体系では手数料が高すぎて、相談へのボトルネックとなっているという課題がありました。当社では介護業界に特化したM&A仲介サービスを提供しているからこそ、効率的なマッチングと案件成約のスピードをあげることで、お客様から頂く手数料を下げられると感じておりました。介護に特化しているからこそ、企業理解や業界動向、業界特有のバリュエーション、買手候補リサーチ、トップ面談の設定等の、通常であれば多くの時間を要するプロセスを、当社では最短1日で完結できるまでに効率化できています。売手買手のマーケットが直近どのような動向なのか、適切な評価額はいくらくらいなのか、どこが買収候補先にあがるのか、といった点を初回訪問時にご説明できると、忙しい経営者からも一気に信頼感を得ることができ、その後のプロセスもスムーズに進むことが多いです。結果として手数料体系を大きく引き下げたことで、より多くの企業様からのご相談にのることができるようになり、生産性はむしろ向上しています。

介護業界におけるM&Aの特徴やポイントがあれば教えてください。

先程もお伝えしましたが、介護業界は34分類ほど様々な業態があるため、その違いや特徴を早期に理解し、クライアントのニーズに最適な提案ができるかが重要だと考えおてります。
買収側の戦略としては、人材の共有や採用・研修体制の一元化等の人事面でシナジーを創出したり、得意な業態のみを買収して規模拡大を狙ったスケールメリット型もあれば、自社の展開エリア内で、介護サービスをワンストップで提供できるようにドミナント戦略で様々な業態を買収していく会社もあります。当社では、介護業界におけるこのような様々な戦略に基づく買収ニーズを、5000社以上データベース化しておりますので、この情報量が結果として売手の幅広い選択肢に繋がっていると感じています。日本全国、離島も含めて、様々な業態・エリア・規模感のM&A実績があり、介護業界においては、当社を通じて買手が見つからなかった場合は、他M&A会社で見つかることはほとんどないと思うくらいマッチングに自信を持っています(笑)。

介護業界のM&Aマーケットをどのように見ていますか。

非常に魅力的なマーケットであると捉えております。介護業界は巨大な成長マーケットですが、新規参入や施設の新設も増えており年々競争は激化しています。また、介護報酬は下落傾向にあるため個々の介護事業者の収益率は悪化する中で、コロナ禍においても有効求人倍率は4倍を超えるなど、厳しい人手不足は変わらず、事業者にとっては厳しい環境が続いています。その中でM&A戦略を駆使してスケールメリットを取りながら事業を拡大させていくか、撤退するかの二極化が迫られており、このトレンドは少なくとも2~30年は継続すると考えています。

1コンサルタントあたりの成約件数がここまで引き上げられるのはなぜでしょうか。

当社では、1コンサルタントが年間で10組程成約している状況です。トップ層になると、月間で4組成約したり、年間で20組の成約を狙うメンバーも出てきており、M&Aの業界では驚異的な水準だと思います。
これだけの成約件数を創出できる理由としては、案件進捗プロセスのスピード化や効率化が寄与しています。特にマッチングまでのスピードが速いことが圧倒的に効率化できており、1コンサルタントが同時に多くの案件を担当することができます。また仕組み化を重要視していて、案件のクロージングまでの工程を細分化しています。標準的な案件進捗スピードと比較して、どの程度前後しているかどうかを全コンサルタントがモニタリングできるよう社内のデータベースで見える化しており、進捗が滞っている理由を早期に発見し、解決へ導けるような環境作りをしています。M&Aの実力は経験した数だけ高まると考えておりますが、当社では1コンサルタントが売り買い一気通貫で担当し、早期に多くの実績を積むことで、顧客への提案の質が高まり、また実績に繋がるという、好循環に繋がっていると思います。

M&Aの案件はどのような経由で創出されるのでしょうか。

現状、案件ソーシングの多くがインバウンドによるもので、自社運営プラットフォーム経由の問い合わせが多いです。常時100~150件程売却ニーズがあるような状態で、5,000社以上ある買収ニーズのうち、最終的には業態・エリア・規模でスクリーニングがかかり、3~4社の買手候補先から条件提示を出して頂けるような仕組みができていることが当社の強みですね。

M&A事業において、今後の展望をお聞かせ下さい。

M&A仲介の会社は増えていますが、小規模案件マーケットには、効率性や採算性を理由に大手含めて参入してくる会社が少ない状況です。当社は、今までであれば廃業・清算以外の選択余地がなかった会社を、M&Aという形で救ってきた自負があります。介護という領域に特化をしたことで、効率化に成功し、結果的には多くの案件を成約に導くことができています。今後は、介護のみならず対象業界を横展開していくことでM&A事業を更にスケールさせていきたいと考えております。既に医療、保育、障がい、介護人材等、周辺領域から対象業界を拡げています。
当社展示会事業のプラットフォームの構造は、業界の主要プレイヤーの経営者が一堂に会する場であり、業界の最新情報やトレンドを収集することが可能であるとともに、様々なニーズも集積されていきます。
このような事業会社ならではの強みを活かし、より広いネットワークを使って、より早くニーズをキャッチすることで、展示会事業とM&A事業がシナジーを生み出しながら成長していく予定です。

人材について

M&Aの仕事のやりがいを教えてください。

M&Aという仕事が顧客から本当に感謝をされ、喜んで頂ける仕事であることは勿論ですが、我々は限られたパイを奪い合うM&Aではなく、新しいマーケットを創り出しているということもやりがいと感じています。当社成約の平均譲渡対価は2,000万円くらいです。既存のM&A仲介会社だと最低手数料が2,000~3,000万円に設定されていることが多いため、中小企業にとっては手数料が高すぎて頼めず、相談にのってくれる人もいないということが一般的ですが、当社は最低手数料を100万円に設定し、中小・零細企業に廃業以外の新たな選択肢を提供することで、ブルーオーシャン市場を切り拓き、介護M&Aという市場で圧倒的なシェアを獲得してきました。今後もさらに対象業界を拡げていく中で、中小・零細企業のM&A市場を一緒に創っていけるということがベンチャーならでは醍醐味だと思います。

ブティックスに合う人材や活躍されている共通点を教えてください。

これから入社頂きたい方も、現在当社で活躍しているメンバーも次にあげる3つが共通点かなと思います。
-誠実な方
-愚直に努力を出来る方
-継続して実績を出されている方
自身の成功体験がなぜできたのかを理解し、言語化ができて、実践・再現できている人を採用したいし、社内でも活躍しています。当社でのキャリアステップとしては、マネジメント側に回り会社を共に伸ばすリーダーとしての道と、プレイヤーとして専門性を高めていく道のいずれかを選択できるような選択肢がございます。また、事業会社として今後も続々と新規事業を立ち上げていく予定ですので、将来的には事業の立上げに携わる機会も出てくると思います。

入社後の研修、その後の社内研修等はあるのでしょうか。

当社は未経験者から育成していくスタイルで、一定の座学や研修プログラムと同時に、一早く現場に出て学ぶことを重要視しており、早いタイミングで担当案件を持って頂き、目安としては入社後半年程度で1件目の成約実績を出せるような体制で育成プログラムを作っています。

最後に候補者に向けてメッセージをお願い致します。

当社はM&Aで本当に困っている人たちを継続的に助けるためには、仕組みが必要だと考えています。仕組みを作り、事業を立ち上げ、世の中を変えたいという熱い想いをもっている方には是非ご入社して頂きたいと思っておりますので是非選考にお越し頂ければと思います。

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