スケール型M&Aで、経営者の中長期的な戦略パートナーを目指す。M&AコンサルティングのM&A仲介サービス
M&Aコンサルティングの松栄社長に会社の特徴や求める人物像について伺った。
松栄社長のご経歴
松栄社長のご経歴を教えてください。
横浜国立大学卒業後、新卒で株式会社キーエンスに入社。その後転職し、株式会社日本M&Aセンター(以下「日本M&Aセンター」という。)で約3年間M&Aのアドバイザリー業務に従事。2019年4月に株式会社M&Aコンサルティング(旧スパイラルコンサルティング)を設立しました。
そもそもキーエンスへの入社を決めた理由としては、営業が強い会社に入りたかったからです。いずれは自分で会社を立ち上げて勝負したいという想いはありましたので、将来どんなビジネスをやるにしても「売る力」は必要だと考えていました。
キーエンスで4年間営業を行う中で、私自身営業は得意だったので結果を出すことは出来ました。
キーエンスを辞めて起業を検討した際に、様々なビジネスアイデアを練りましたが、経営に関する知識や経験が全く足りないことに気が付きました。そこで、経営者に近い仕事という軸で転職を検討し、コンサルティング業界やM&A業界に目を付けました。
M&A業界に関心を持った理由としては、以下の3つです。
・異なる会社同士が一緒になり、成長をしていくという分かりやすい成果
・仕事をする相手が経営者というレベルの高さ
・社会貢献性が高く、世の中に与えるインパクトが大きい
そのような理由から、日本M&Aセンターへの転職を決意致しました。
またこれは余談ですが、当時の私にとって、異なる会社同士を一緒にするというM&Aアドバイザーの仕事が、幕末の薩摩藩と長州藩に同盟を結ばせた坂本竜馬のようなフィクサーに思えて、純粋に格好いいという思いもありました。笑
ただ、今だからこそ思えるのは、M&Aアドバイザーとは将来的に業界再編を起こして、世の中の流れを大きく変えることができる。そんな仕事だと思っています。
どのような経緯で設立されたのでしょう
まず「独立するなら同じことはやりたくない」という想いがありました。
日本M&Aセンターの時は、新人賞をはじめとして、複数の賞にも絡むことが出来ており、プレイヤーとしてなにひとつ不満はありませんでした。
その中で、唯一課題だなと思ったのは、“中長期的に売却を検討している方への関わり方”です。
今すぐ売却したい方へのサービスは強い会社ですが、一方で今すぐは売却を検討してないというオーナー様(いわゆる長期フォロー先)も多くいらっしゃいます。長期フォローが必要なオーナー様へのサービスが会社として用意されていないのは課題だと思っていました。
そして、今すぐ売却する必要の無い会社ほど良い会社であることが多く、うまくフォローが出来ればいいディールになるということも肌で実感しておりました。
そういった想いを持って、弊社の土橋・太田・依田と意見交換をしていく中で、本来こうあるべきだというお互いのM&Aについてのあり方が明確に一致しました、それが「スケール型M&A」の原点です。
今から5年後や10年後の中小M&A市場を考えたときに、単なるマッチングは価値がなくなると思っています。
正直、マッチングだけならだれでも出来ます。むしろAIかプラットフォームに代わられると思っています。その中で、“なぜ人が介在するのか”、“M&Aアドバイザーの介在価値とは何なのか”を考え抜いた際に、現在は手を付けられていない、「M&Aの前と後のフェーズで価値を提供してくこと」が重要になると考えました。そして弊社ではまず、M&Aの前段階(売却の準備)から支援しようということになりました。
IPOに準備があるように、M&Aにも売却前準備があってもいい、むしろあるべきだと思っています。これは成長過程の会社はもちろん、事業承継というテーマであっても同じです。だから、1年~3年くらいの期間の中で事業計画を引いて、しっかりと準備をしていくことで、結果的に企業価値を高めての売却が実現できる。これを「スケール型M&A」と名付け、長期フォローのオーナー様へもご支援していくことになりました、それがM&Aコンサルティング(旧スパイラルコンサルティング)の設立経緯です。
会社について
これまでに成約実績のある業界や規模感について教えてください。
IT・保育園・外食・美容・製造・人材紹介・SES・運送・建設など多岐にわたります。特に「外食、美容、IT、製造業界」にはかなり多くの成約実績がございます。
会社としては、まず業界に強くなることを必須としています。業界に強くなることで売却オーナーへの提供価値も大きくなりますし、買い手企業とも同じ目線感で議論が出来ます。
現時点でも、外食・美容業界では国内TOPクラスのビックディールを成約した実績がございます。また、弊社のコンサルタントはキーエンスやメーカー出身者が多いので、製造業界には強みを持っています。
成約している案件の規模感でいくと、年商数億円~数十億円まで様々な案件を手掛けておりますが、やはりボリュームゾーンとなるのは年商10億前後で、株価としては数億円~10億程度の案件が多いです。
貴社の特徴であるスケール型M&Aとはどのようなものなのでしょうか。
スケール型M&Aは商品(サービス)の一つとして捉えています。
現在のM&A仲介会社を見渡しても商品の差別化がないと感じています。それでは、優秀なコンサルタントからするとどこで働いても同じです。元々流動性の高い業界だと思っていますが、その中でもコンサルタントが「弊社で働くメリット」をどう感じてもらうかが、経営陣としての使命・ミッションです。
私は、その一つが“他に負けない商品力”を作ることだと考えています。
売却オーナー様や買い手企業様にとっても、「それが欲しかった!」と思ってもらえる強力な商品(サービス)を作り、それを優秀なコンサルタントが付加価値を付けて営業する。
M&A仲介会社でこのように考えている会社は少ないかもしれませんが、メーカーからすると、「商品の差別化」を考えるのは当然のことです。
弊社としては、スケール型M&A以外のサービスも今後ローンチしていきたいと考えています。
急成長を遂げる貴社ですが、今後の展望やビジョンを教えてください。
外食、美容、IT、製造業界に加えて、高いパフォーマンスを発揮できる業界を一層広げていきたいと考えています。創業3年目のスタートアップとして、これからどんどん成長をしていくためにも、ニッチトップを確立したうえで、全国展開していくことを考えています。
また、M&Aはあくまでも手段のひとつだと考えています。経営者の課題に対してM&Aが最適であればM&Aを提案させて頂きますが、IPOを支援させて頂くケースもございます。M&Aを軸にすると前後に非常に大きなビジネスチャンスがありますので、我々としては経営者のエコシステムを作りたいと考えています。
M&Aが一層注目されている一方で、”利益相反について”や”手数料が高すぎるのではないか”という、M&A仲介の在り方を疑問視する声もあります。M&A支援事業者が増えるのは業界にとってとても良いことですが、M&Aサポートの質が下がることは非常に問題です。やはり根本として、「高品質のサポートを届けたい」という思いが強くあります。信用力向上のため株式上場を目指しているのもそういった背景です。
人材について
M&Aの仕事のやりがいを教えてください。
やはり「達成感」ですかね。
紆余曲折ある中で案件を進めていき、ようやく成約した時の感謝のされ方は、他の仕事には代えがたい達成感を感じることが出来る仕事だと思います。
また、自分の交渉力次第で右にも左にも行くM&Aの世界で言えば、自分の力を最大限試せるというのは非常に面白いと思っています。
そして、営業する相手が経営者なので、お客様の人生観や経営に対する考え方など非常に多くのことを学べることも魅力の1つだと思っています。
環境が人を育てるとはまさにその通りで、私自身M&Aの仕事に携わってから、人間力が格段に上がったと思います。相手は百戦錬磨の経営者なので、中途半端では受け入れてもらえません。
お酒の飲み方や趣味の過ごし方など、人生の先輩として経営者から学ぶことは非常に多いです。笑
M&Aコンサルティングに合う人材とはどのような人でしょうか。
成長意欲が高い人が多いと思います。
M&Aの仕事は営業の総合格闘技と言われたりするくらい、知識的にもスキル的にも非常に高いレベルを要求されます。そこに対して、ある意味前向きに楽しめる方は大きくブレイクスルーしています。
自ら考え挑戦できる環境は用意していますので、敷かれたレールの上を走るのではなく、自らレールを敷いてやるぞという気概の持ち主は大歓迎です。
また、M&Aの会社は個人事業主の集まりの様になりがちですが、弊社はどちらかというとアットホームな動物園ですね。笑
個人が持っているノウハウや気付きを共有する文化があります。案件を進めるうえで良かったことや失敗からの学びも全てシェアしています。案件は一つとして同じ進め方はありません。
この「共有する」という文化は非常に大事にしています。
人材が会社に合わせる必要は無いと考えています。会社は中にいる人材が育てていくものです。弊社としては、ダイバーシティを受け入れる価値観を大切にしていますので、そのままの考えをぶつけて頂ければと思います。
貴社に在籍されているアドバイザーの方々のバックグラウンド(ご経歴)を教えてください。
現在のアドバイザーについては、弊社のHPをご覧いただければと思いますが、これから入社してくるメンバーの経歴としては、以下のような様々なバックグラウンドのメンバーが入社を予定しております。
・ジョンソンエンドジョンソン
・野村證券
・キーエンス
・他社M&A仲介経験者
弊社には異業種からの転職者も多く在籍しています。前職で高い営業成績を出してきており、更なるステップアップとしてM&A業界で開花させたい。そんな方は仕事に対するマインドが出来上がっているので、あとは知識とノウハウ、スキルを習得するだけです。
中途入社したあとの業務の流れを教えてください。
まずは内定の頃から勉強会などを開催していますね。
入社後は、いち早く成功体験・失敗体験を積んで欲しいので、アクティブになっている案件に早速ジョインしてもらいOJTで一緒に案件を進めていきます。
役員は予算を持っていないので、コンサルタントの予算達成と人材教育にフルコミットです。
そのため、弊社では基本的に入社してから6カ月以内に初成約をしており、入社1年目で3~4組成約させるコンサルタントも輩出しています。恐らく人材の立ち上がりの速さは業界TOPクラスだと思います。
もちろん、会社からアサインされた案件のみではなく、コンサルタント自ら案件の開拓もしています。
会社としては、優秀な人材には数多くの案件に携わって欲しいので、提携先の開拓・WEBマーケティング・セミナー集客やインサイドセールスチームの組成をし、商談獲得のためのサポートに力を入れております。
弊社のインサイドセールスチームの特徴としては、M&A業界を志す早慶東大クラスの大学生がインターンとして架電しています。彼らは来年M&A業界への就職が決まっている学生がほとんどで、この1年間でなるべく多くを吸収して、社会人になってからスタートダッシュを決めたいという方が多いので、非常にモチベーション高く働いてもらっています。
若くてエネルギッシュな雰囲気はスタートアップらしさを感じられるかと思います。
こうした取り組みの成果として、会社としてのコンサルタントパーヘッドは1億円が見えてきており、M&A仲介上場会社と比較しても高い生産性を実現できています。
M&Aのコンサルタントとして必要なことを教えてください。
これは挙げたらキリがないですが、あえて必要なことを挙げるとしたら、「論点的な思考能力」と「圧倒的当事者意識」だと思っています。
論理的な思考能力は言葉の通りですが、M&Aのコンサルタントは数字を扱う仕事です。財務的な観点でアドバイスを求められることもありますし、時には冷静に顧客を導いてあげることが必要です。物事の道筋を立てて、先読みしてディールを進める能力は必須だと思います。
当事者意識という点では、M&Aのコンサルタントは、譲渡オーナー様がいてそこに買収企業があるわけで、厳密には当事者ではありません。そのため、当事者である譲渡オーナー様や買収企業の担当者からすると、対応が一歩遅れてしまうことがあります。それではダメなコンサルタントです。お客様以上にお客様のことを考え、先に手を打つという姿勢が大切だと思っています。
上記は土台として必要なスキルで、高い成果を上げようと思ったら、やはり結果に対して異常なまでのコミットメントが必要です。
特にM&Aの世界は結果が全てです。何が何でもやり切る強い心が求められます。
最後に候補者に向けてメッセージをお願い致します。
転職は人生において重要なターニングポイントだと思います。
M&Aに興味を持った人は、今一度、なぜM&Aに興味を持ったのかを考えに考え抜いて欲しい。
現時点での自分の原点を作ることは、いざM&A業界に入って壁にぶち当たった際の、立ち返れる場所になります。
やはり、自分の仕事に“100%の納得感”を持っている人間は事を成し遂げます。お会いできるのを楽しみにしています!